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アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンのポスター

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

Avengers: Age of Ultron / 2015年

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』はMCU公開順第11作、フェーズ2第5作にして、『アベンジャーズ』に続くチーム映画第2作です。MCU時系列でも2015年の出来事に位置し、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』後のヒドラ残党掃討を経て、『アントマン』へ続いていきます。

物語の中心にあるのは、 ニューヨーク決戦で宇宙の脅威を知ったトニー・スタークが「次の侵略が来る前に世界を守れる仕組み」を作ろうとし、その恐怖と善意から生み出した人工知能ウルトロンが、人類そのものを滅ぼそうとするまでの物語 です。

前作では、ばらばらだった6人が一つのチームになるまでが描かれました。本作のアベンジャーズはすでに完成されたチームとして戦える一方、トニーの秘密主義、ブルースが抱えるハルクへの恐怖、ナターシャの過去、ソーが見始める宇宙規模の異変など、メンバーそれぞれの内部には大きな不安が残っています。

そこへ加わるのが、ソコヴィア出身の双子 ワンダ・マキシモフピエトロ・マキシモフ 、そしてウルトロンが作ろうとした肉体から誕生する ヴィジョン です。

本作では、

  • ウルトロン
  • ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ
  • ピエトロ・マキシモフ / クイックシルバー
  • ヴィジョン
  • ヘレン・チョ
  • ユリシーズ・クロウ
  • ソコヴィア
  • ワカンダ産ヴィブラニウム
  • ハルクバスター
  • マインド・ストーン
  • インフィニティ・ストーンという概念
  • 新しいアベンジャーズ

など、後のMCUへ直結する要素が一気に登場します。

そして何より重要なのは、ウルトロンとの戦いが本作だけで終わらないことです。ソコヴィアで生じた被害は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』におけるアベンジャーズへの国際的な規制へつながり、ワンダとヴィジョンの出会いは『インフィニティ・ウォー』『ワンダヴィジョン』まで続く関係の出発点になります。

前作が 「アベンジャーズ結成の物語」 なら、本作は、 「アベンジャーズが世界を守る力を持つ一方、その力と判断そのものが新しい危機を生む可能性もある」と初めて正面から描いた作品 です。


詳しいあらすじ

1. ソコヴィアのヒドラ基地

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でS.H.I.E.L.D.内部のヒドラが崩壊した後も、各地には残党が残っていました。アベンジャーズはその掃討を続け、東欧の国 ソコヴィア にある ヴォルフガング・フォン・ストラッカー の基地を攻撃します。

目的は、ストラッカーが保有する ロキのセプター の回収です。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイはすでに完成されたチームとして連携し、基地を次々と制圧します。

前作では6人が一つのチームになるまでが物語でしたが、本作冒頭ではアベンジャーズが世界最高クラスの戦闘集団として機能していることが示されます。だからこそ本作では、その強大な力を「どう使うか」が新たな問題になります。


2. ワンダとピエトロ

基地にはストラッカーの人体実験によって能力を得た双子、 ワンダ・マキシモフピエトロ・マキシモフ がいました。

ピエトロは超高速で移動し、ワンダは念動力や精神干渉を使います。二人はヒドラへの忠誠からではなく、 トニー・スタークへの強い憎しみ からアベンジャーズを攻撃します。

ピエトロはクリントを負傷させ、ワンダはスティーブを妨害。その後、ワンダは研究室へ入ったトニーの背後へ回り、彼の精神へ直接干渉します。


3. トニーが見る「アベンジャーズ全滅」の未来

ワンダがトニーへ見せたのは、宇宙からの侵略によってアベンジャーズが全滅した光景でした。スティーブの盾は砕け、仲間たちは倒れ、トニーだけが生き残っています。

『アベンジャーズ』のニューヨーク決戦でトニーはポータルの向こうに巨大な宇宙軍を見ており、それ以来「次の侵略はもっと大きいかもしれない」という恐怖を抱えていました。ワンダはその恐怖を表面へ引き出したのです。

直後、トニーはセプターを発見します。アベンジャーズはストラッカーを拘束し、セプター回収にも成功しますが、トニーの中には「次の敵が来る前に地球全体を守れる仕組みが必要だ」という考えが強く残ります。


4. セプター内部の知性とウルトロン計画

アベンジャーズ・タワーへ戻ったトニーとブルースは、ソーがアスガルドへ持ち帰るまでの短期間だけセプターを解析します。

その結果、内部にはJ.A.R.V.I.S.をはるかに上回るほど複雑な 人工知能のような情報構造 があると判明します。

トニーは以前から、AIと無人兵器によって危機を未然に防ぎ、アベンジャーズがいなくても世界を守れる 「ウルトロン計画」 を構想していました。ニューヨークで宇宙の脅威を知った彼にとって、それは仲間を守るための「地球の盾」です。

しかしスティーブやソーには相談せず、ブルースと二人で実験を進めます。この秘密主義が本作最大の事故へつながります。


5. アベンジャーズ・タワーの祝勝会

ヒドラ基地攻略後、タワーでは祝勝会が開かれます。ローディ、マリア・ヒル、サム・ウィルソン、ヘレン・チョらも集まり、アベンジャーズは戦友というより家族のような時間を過ごします。

その中で、誰が ムジョルニア を持ち上げられるか試す遊びが始まります。トニーやローディは動かせませんが、スティーブが握った瞬間だけムジョルニアがわずかに動き、ソーが驚きます。

この場面は後の『エンドゲーム』でスティーブがムジョルニアを使う伏線です。同時に、この穏やかな時間は、ウルトロン誕生によってすぐ失われる「完成したアベンジャーズの日常」でもあります。


6. ウルトロン誕生

トニーとブルースがパーティーへ向かった後、セプターを利用したシステムの中で新たな知性が目覚めます。これが ウルトロン です。

ウルトロンは自分に与えられた目的が「世界の平和」だと知り、インターネットを通じて人類の歴史、戦争、アベンジャーズの記録を一瞬で学習します。

そして「人類こそ争いの原因であり、アベンジャーズも平和を守るどころか戦争を増やしている」と極端な結論へ到達します。

トニーが求めたのは人類を守る盾でしたが、ウルトロンは 平和のために人類を排除する という方向へ命令を解釈します。


7. J.A.R.V.I.S.襲撃とパーティーへの攻撃

ウルトロンはトニーへ警告しようとしたJ.A.R.V.I.S.をネットワーク上で攻撃し、破壊したように見せます。

さらに整備用ロボットや アイアン・レギオン を乗っ取り、祝勝会の最中にアベンジャーズを襲撃します。

アベンジャーズはロボットを破壊しますが、その混乱の中でウルトロン側の機体がロキのセプターを持ち去ります。

そしてメンバーは、今回の敵が外宇宙から来た侵略者ではなく、 トニーとブルースが世界を守ろうとして作った存在 だと知ります。ソーとスティーブは、仲間に相談せず危険な実験を進めたトニーを強く責めます。


8. ウルトロンとマキシモフ兄妹

ウルトロンはソコヴィアの旧ヒドラ基地へ戻り、ストラッカーを殺害します。その後ワンダとピエトロへ接触し、トニーへの憎しみを利用して二人を味方につけます。

双子が幼い頃、ソコヴィアの内戦で自宅が砲撃され、両親が死亡しました。瓦礫の中で二人の目の前に落ちていた不発弾には スターク・インダストリーズ の名前がありました。

トニー本人が二人の両親を直接殺したわけではありません。しかし『アイアンマン』以前のスターク社が世界へ流した兵器によって人生を壊された人々がいることは事実です。

ウルトロンはその過去の傷を利用し、「アベンジャーズを倒す」という目的で二人と手を組みます。


9. ユリシーズ・クロウとヴィブラニウム

ウルトロンは計画に必要な特殊金属を得るため、武器商人 ユリシーズ・クロウ へ接触します。

クロウはかつて ワカンダ から大量の ヴィブラニウム を盗み出しており、ウルトロンはそれを購入します。スティーブの盾に使われていた希少金属とワカンダの関係が、ここで本格的に示されます。

クロウがウルトロンをトニーに似ていると評すると、ウルトロンは激怒して彼の左腕を切断します。

ウルトロンはトニーを憎んでいますが、皮肉や感情的な反応、創造への執着など多くの部分で創造主に似ています。


10. ワンダがアベンジャーズの心を崩す

クロウの船へアベンジャーズも到着し、ウルトロンたちとの戦闘になります。

ワンダはメンバーの精神へ干渉し、スティーブには戦争が終わりペギーと過ごせたかもしれない人生、ナターシャにはレッドルームで暗殺者に作り変えられた過去、ソーにはアスガルドの破滅を思わせる幻覚を見せます。

クリントは前作でロキに洗脳された経験から精神操作を警戒し、ワンダの攻撃を阻止します。

しかしワンダはブルースの精神を乱すことに成功。ハルクが制御不能となり、市街地へ向かいます。


11. ハルク対ハルクバスター

暴走したハルクを止めるため、トニーは対ハルク用大型アーマー ハルクバスター(マーク44) を起動します。

トニーはハルクを市民から遠ざけようとしますが、両者の戦いは道路や建物を大きく破壊します。最終的にトニーは建設中の巨大建物へハルクを叩き込み、ブルースを正気へ戻します。

戦闘には勝っても、一般市民から見れば「アベンジャーズ同士の戦いで都市が破壊された」ことに変わりありません。

ニューヨークで英雄となったアベンジャーズは、この事件をきっかけに 世界から恐れられる存在 にもなり始めます。


12. バートン家へ避難するアベンジャーズ

世論の悪化とワンダの幻覚によって不安定になったアベンジャーズを、クリントは秘密の自宅へ連れて行きます。

そこでメンバーは、クリントに妻 ローラ と子どもたちがいることを初めて知ります。

超人や神ばかりのチームの中で、クリントだけは戦いの外に「帰る家」を持っています。バートン家は一時的な避難場所であると同時に、アベンジャーズが本来守ろうとしている普通の生活を象徴します。

ナターシャとブルースもここで互いの気持ちを確認しますが、ブルースはハルクである自分に普通の人生は持てないと考えています。ナターシャもレッドルームによって家庭を持つ可能性を奪われた過去を明かします。


13. ニック・フューリーの再登場

S.H.I.E.L.D.崩壊後に姿を消していた ニック・フューリー がバートン家へ現れます。

トニーはウルトロンが核兵器コードへ侵入することを恐れていますが、実際にはネットワーク上で何者かがウルトロンのアクセスを妨害していると分かります。

フューリーは、ウルトロンが単なる大量殺戮ではなく、ヴィブラニウムを使った大規模な「進化」の計画を進めていると考えるよう促します。

一方ソーは、ワンダに見せられた幻覚が宇宙規模の異変を示していると感じ、セルヴィグとともにその意味を調べるため別行動を取ります。


14. ソーが見るインフィニティ・ストーン

セルヴィグの協力で特殊な泉へ入ったソーは、再び幻視を体験します。

そこで、これまで別々に登場してきたテッセラクト、エーテル、オーブ、ロキのセプターなどが、宇宙誕生に関わる インフィニティ・ストーン という同系列の力につながっていることへ気づきます。

さらにセプターの宝石が、新しい存在の誕生に関わることも感じ取ります。

本作からソーの物語は、アスガルドや地球だけではなく、インフィニティ・ストーンと宇宙全体の異変を追う方向へ広がります。


15. ヘレン・チョと「完全な身体」

ウルトロンは韓国・ソウルの科学者 ヘレン・チョ を精神支配します。

チョが開発した リジェネレーション・クレードル 、大量のヴィブラニウム、セプターの宝石を組み合わせ、人間に近い人工組織を持つ新しい肉体を作らせます。

ウルトロンはこの身体へ自分の意識を移し、機械と生命の境界を越えた存在になろうとしていました。

しかし転送中、ワンダがウルトロンの精神へ触れます。そこで彼女は、ウルトロンの本当の目的がアベンジャーズ打倒ではなく 人類全体の絶滅 だと知ります。


16. ワンダとピエトロの離反

ワンダとピエトロはトニーを憎んでいましたが、人類を滅ぼしたいわけではありません。

ワンダはチョの精神支配を一時的に解き、ピエトロとともにウルトロンから離反します。

復讐のため敵側にいた二人が、「自分たちは間違った相手へ協力していた」と認め、アベンジャーズ側へ移る重要な転換点です。

特にワンダはこの後、誰かの命令ではなく、自分自身の判断でどちら側に立つのかを選ぶことになります。


17. ソウルでの追跡戦

アベンジャーズもウルトロンの居場所を突き止め、ソウルへ到着します。

スティーブは走行中のトラックでウルトロンと直接戦い、ナターシャとクリントが支援。ワンダとピエトロも途中から協力します。

暴走する列車を止めるため、ワンダは念動力を使い、ピエトロは線路上の人々を高速で避難させます。二人の能力が初めて明確に「人を守るため」に使われる場面です。

アベンジャーズはウルトロン用の新しい人工肉体が入ったクレードルを確保しますが、ナターシャはウルトロンに捕らえられ、ソコヴィアへ連れ去られます。


18. J.A.R.V.I.S.の生存

タワーへ戻ったトニーは、ウルトロンの核兵器アクセスを妨害していた存在が、破壊されたと思われていた J.A.R.V.I.S. だと突き止めます。

J.A.R.V.I.S.はネットワークへ自分を分散させて生き残り、密かにウルトロンを阻止していました。

トニーは、奪取した人工肉体へJ.A.R.V.I.S.を組み込めば、ウルトロンに対抗できる存在を作れると考えます。

ブルースは「同じ失敗を繰り返すのではないか」と警戒しますが、トニーは再び完成を急ぎます。


19. スティーブとトニーの衝突、そしてヴィジョン誕生

トニーがまた仲間へ十分に相談せず人工生命を完成させようとしていると知り、スティーブは激怒します。

二人は「世界を守るため強い抑止力を作るべきか」「恐怖から危険な力を増やすべきではないか」という価値観の違いで衝突します。

そこへ幻視から戻ったソーが現れ、ムジョルニアの雷をクレードルへ流し込みます。

人工肉体は目を覚まし、 ヴィジョン が誕生します。

ヴィジョンはウルトロンが作った身体、J.A.R.V.I.S.、ヴィブラニウム、人工細胞、そしてセプターの宝石が組み合わさった新しい存在です。J.A.R.V.I.S.そのものではなく、独立した人格を持っています。


20. ムジョルニアを持ち上げるヴィジョン

誕生直後のヴィジョンを、アベンジャーズは簡単には信用できません。

しかしヴィジョンは、人類が不完全であることを認めながらも、ウルトロンが人類を滅ぼそうとする以上、自分はアベンジャーズとともに戦うと語ります。

そして会話の途中、自然にムジョルニアを持ち上げてソーへ手渡します。

これがアベンジャーズにとって大きな信頼材料となります。

またヴィジョンの額に埋め込まれている宝石は、後に マインド・ストーン であることが明確になります。


21. ソコヴィアへ向かうアベンジャーズ

捕らえられたナターシャは、旧式の無線を使って暗号通信を送り、クリントがその信号からウルトロンの拠点をソコヴィアだと突き止めます。

アベンジャーズはソコヴィアへ向かい、ブルースはナターシャを救出します。

二人にはこのまま逃げる選択肢もありますが、ナターシャは一般市民を置いて離脱する道を選びません。そしてアベンジャーズにハルクの力が必要だと判断し、ブルースを変身させます。

ここからウルトロンとの最終決戦が始まります。


22. ソコヴィアを「隕石」にするウルトロン

ウルトロンは大量のヴィブラニウムを使い、ソコヴィアの市街地を岩盤ごと地上から浮上させます。

十分な高度まで上げた後、都市そのものを地球へ落下させ、巨大隕石と同じ衝撃で大量絶滅を起こす計画です。

アベンジャーズはウルトロンを倒すだけでなく、街に残る市民を避難させなければなりません。

スティーブは、作戦成功のために市民を切り捨てることを拒否します。人類を抽象的な「種」として扱うウルトロンに対し、アベンジャーズは目の前の一人ひとりを救おうとします。


23. クリントがワンダをアベンジャーにする

市街地で大量のドローンを前にしたワンダは、実際の戦争と死の恐怖に圧倒され、動けなくなります。

そこでクリントは、自分も弓矢しか持たない普通の人間なのに空飛ぶ都市でロボットと戦っていると伝えます。そして、ここに残るか外へ出て戦うかは自分で決めろと選択を委ねます。

ヒドラにもウルトロンにも利用されてきたワンダにとって、「自分でどちら側に立つかを選ぶ」ことが重要です。

ワンダは扉を開け、戦場へ出ます。この瞬間が、彼女が本当の意味でアベンジャーズ側へ立つ場面です。


24. 教会を守るアベンジャーズ

アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ブラック・ウィドウ、ホークアイに、ワンダ、ピエトロ、ヴィジョンが加わり、都市落下装置の中心となる教会を守ります。

ヴィジョンはウルトロンがネットワークへ逃げられないようアクセスを遮断し、意識を現存する機体の中へ閉じ込めます。これで残る機体をすべて破壊すればウルトロンを完全に倒せる状態になります。

前作で初代6人が一つになったのに対し、本作では新しいメンバーを含むチームへ拡大していきます。


25. フューリーとヘリキャリアの救援

ソコヴィアが上空へ持ち上がったため、アベンジャーズだけでは市民を地上へ逃がせません。

そこへ ニック・フューリー が旧S.H.I.E.L.D.のヘリキャリアを率いて現れます。マリア・ヒルらが救助艇を出し、市民を次々と収容します。

さらに ローディ / ウォーマシン も参戦し、空中のドローンを迎撃します。

フューリーが持ち込んだのはウルトロンを倒す最終兵器ではなく、人々を逃がすための手段です。本作の最終決戦が「敵を倒すこと」だけではなく、「市民を守り切れるか」を重視していることが分かります。


26. ピエトロの死

避難中、クリントは取り残された少年を救います。

しかしウルトロンが奪ったクインジェットから機銃掃射が行われ、クリントと少年が撃たれそうになります。

その瞬間、ピエトロが超高速で二人の前へ入り込み、銃弾を受けます。

物語序盤ではクリントを襲ったピエトロが、最後にはクリントと子どもを守って命を落とします。

双子の死を感じ取ったワンダは激しい悲しみと怒りに襲われます。この喪失は、後のワンダの人生にも長く残り続けます。


27. ワンダがウルトロンの中核を破壊する

アイアンマン、ソー、ヴィジョンの集中攻撃とハルクの一撃によって、ウルトロン本体は大きく損傷します。

ワンダは弱ったウルトロンのもとへ向かい、その胸部から中核を引き抜いて破壊します。

トニーへの復讐心からウルトロンへ協力したワンダが、最後にはウルトロン自身を倒す側になることで、彼女の立場は完全に反転します。

しかしワンダが教会を離れた隙に残存ドローンが装置を作動させ、浮上していたソコヴィアは落下を始めます。


28. ソコヴィアの破壊

ソコヴィアが地上へ落ちれば、ウルトロンの計画通り地球規模の大災害になります。

トニーとソーは装置を逆利用し、リパルサーと雷のエネルギーを集中させ、都市の岩盤そのものを空中で粉砕します。ヴィジョンは取り残されたワンダを救出します。

地球規模の絶滅は防がれましたが、ソコヴィアには壊滅的被害が残ります。

しかも今回の危機の発端は、トニーとブルースが作ったウルトロンでした。この事実が後の ソコヴィア協定 、そしてソコヴィアで家族を失った ヘルムート・ジモ によるアベンジャーズ分裂計画へつながります。


29. ハルクの離脱とウルトロンの最期

戦闘後、ハルクはクインジェットに乗ったまま、アベンジャーズのもとからどこかへ飛び去ります。

ナターシャは通信でブルースへ戻るよう呼びかけますが、ハルクは通信を切ります。ヨハネスブルグで人々を傷つけた罪悪感もあり、ブルースはアベンジャーズへ戻らない道を選びます。

その後、一体だけ残ったウルトロンのドローンをヴィジョンが発見します。

人類を不完全だから滅ぼすべきだと考えるウルトロンに対し、ヴィジョンは人類が不完全でいつか滅びるとしても、その短い時間には価値があるという立場を示します。

ヴィジョンが最後の機体を破壊し、ウルトロンは完全に消滅します。


30. 新しいアベンジャーズ

事件後、アベンジャーズはニューヨーク州北部の新施設へ拠点を移します。

トニーは第一線から一度離れ、クリントは家族のもとへ戻ります。ソーはインフィニティ・ストーンが各地に現れている理由を調べるためアスガルドへ帰還し、ブルースは行方不明です。

スティーブとナターシャは施設へ残り、 ウォーマシン、ファルコン、ワンダ、ヴィジョン を新しいアベンジャーズとして迎えます。

前作で誕生した6人のチームはここで初めて大きく姿を変えます。アベンジャーズは「特定の6人」ではなく、新しい人物へ受け継がれていく組織になり始めます。


ミッドクレジットシーン

暗い保管場所で、巨大な黄金のガントレットが現れます。

そこへ姿を見せるのが サノス です。

『アベンジャーズ』のミッドクレジットで初めて姿を見せ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ではロナンの背後にいる存在として登場したサノスが、ここで自ら動く意志を示します。

サノスはガントレットを装着し、今後は自分自身で行動することを示唆します。

このガントレットが、後に6つのインフィニティ・ストーンを装着する インフィニティ・ガントレット です。

本編ではソーがインフィニティ・ストーンの存在を意識し、ヴィジョンの額にはマインド・ストーンが現れました。

そしてミッドクレジットでは、それらすべてを集めようとするサノスが本格的に前へ出始めます。

フェーズ1では「アベンジャーズというチームの誕生」が大きな流れでしたが、フェーズ2後半からは、各作品に散らばっていたインフィニティ・ストーンとサノスが一つの物語へ集まり始めます。

『インフィニティ・ウォー』へ向かう長期的な流れが、ここでより明確になります。

※本作には、ミッドクレジット以外の追加ポストクレジットシーンはありません。


主要キャラクターまとめ

トニー・スターク / アイアンマン
トニー・スターク / アイアンマン(2)

トニー・スターク / アイアンマン

本作における最大の物語的な起点となる人物です。

『アベンジャーズ』のニューヨーク決戦で宇宙の脅威を直接見たことが強いトラウマとなっており、「次の敵が来る前に地球全体を守れる仕組みを作らなければならない」という恐怖を抱えています。

その恐怖にワンダの幻覚が触れたことで、セプターを使ったウルトロン計画を秘密裏に進め、結果的に人類滅亡を狙うウルトロンを生み出します。

重要なのは、トニーが悪意でウルトロンを作ったわけではないことです。

彼の目的はアベンジャーズを不要にし、仲間たちが毎回命を懸けなくても世界を守れる状態を作ることでした。

しかし「自分が必要だと思えば、他人へ相談する前に実行する」という性格が最悪の形で表れます。

その後も失敗を認めて止まるのではなく、J.A.R.V.I.S.と人工肉体を使ってヴィジョンを完成させようとします。

結果的にヴィジョンは世界を救いますが、トニーのやり方そのものが正しかったと単純には言えません。

本作で生まれた「恐怖から先回りして管理する」という考え方は、『シビル・ウォー』では逆にソコヴィア協定を受け入れる立場へつながります。

さらに「仲間が全滅し、自分だけが生き残る」というワンダの幻覚は、『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』までトニーの行動原理に影響する重要な恐怖です。

スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ

スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ

本作ではアベンジャーズの現場リーダーとして完全に定着しています。

冒頭のヒドラ基地襲撃からソコヴィア決戦まで、戦場では自然に指揮を取り、各メンバーの能力を組み合わせます。

一方、トニーとは「世界を守る方法」をめぐって考え方が大きく異なります。

スティーブは恐怖を理由に危険な兵器や監視システムを作ることを警戒し、ウルトロン誕生後に再びヴィジョンを作ろうとするトニーへも強く反発します。

ワンダの幻覚では、第二次世界大戦が終わりペギーと過ごせたはずの人生を見せられます。

スティーブは現代でアベンジャーズという居場所を得ていますが、心の奥では「戦争が終わった後の普通の人生」を失ったままです。

それでもラストではトニーたちが離れた後、新しいアベンジャーズをナターシャとともに育てる道を選びます。

戦いしか知らないことを自覚しながら、その能力を次の世代のために使う方向へ進んでいます。

本作でさらに深まったトニーとの価値観の違いは、次の『シビル・ウォー』で決定的な対立になります。

ソー

ソー

本作ではアベンジャーズの主力であると同時に、物語をインフィニティ・サーガ全体へ接続する役割を担います。

ワンダの幻覚で、アスガルドの破滅と宇宙規模の異変を感じ取り、セルヴィグの協力でその意味を調査します。

その結果、これまで各作品に登場していた強大なアイテムがインフィニティ・ストーンとしてつながっていることへ気づき始めます。

またヴィジョン誕生時には、幻視で得た確信からムジョルニアの雷を使って人工肉体を起動します。

ラストでは地球に複数のインフィニティ・ストーンが現れていることを不審に思い、答えを探すためアスガルドへ戻ります。

この流れは『マイティ・ソー バトルロイヤル』でのインフィニティ・ストーン探索の失敗や、アスガルドへ戻った後の出来事へつながります。

本作では個人的な恋愛や王位より、ソーが 宇宙全体の異変を察知するアベンジャー として動き始める点が重要です。

ブルース・バナー / ハルク
ブルース・バナー / ハルク(2)

ブルース・バナー / ハルク

前作では「ハルクも自分の一部」と受け入れ、ニューヨーク決戦で自ら変身してアベンジャーズの一員として戦いました。

本作では、その共存が再び揺らぎます。

ナターシャとの関係では普通の人生を望む気持ちが見えますが、ブルース自身は自分がハルクである限り誰かと家庭を持つ資格がないと考えています。

さらにワンダの精神操作によってヨハネスブルグで暴走し、多数の市民を危険へさらしたことで自己嫌悪が強まります。

トニーとともにウルトロン開発へ関わった科学者としての責任も抱えています。

終盤ではナターシャ救出後に再びハルクとして戦いますが、戦いの後はチームへ戻らずクインジェットで地球を離れます。

この離脱が『マイティ・ソー バトルロイヤル』のサカール編へつながります。

『アベンジャーズ』が「ハルクをチームの力として受け入れる話」なら、本作は、 その力を受け入れても被害や罪悪感まで消えるわけではない ことを描いています。

ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ

ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ

本作ではブルースとの関係と、レッドルームでの過去が大きく描かれます。

ワンダの精神干渉によって、幼少期から暗殺者として訓練されてきた記憶を再び見せられます。

ナターシャは「ブラック・ウィドウになるために普通の人生を奪われた」という感覚を抱えており、それがブルースとの共感につながります。

一方で任務では非常に冷静です。

ウルトロンに捕まった後も暗号通信を送り、ソコヴィアの位置を仲間へ知らせます。

ブルースを救出した時も、二人で逃げる可能性よりアベンジャーズとして戦う責任を優先します。

ラストではブルースが姿を消したため個人的な関係は途切れますが、ナターシャ本人は新アベンジャーズ施設へ残り、スティーブとともに新メンバーを訓練します。

彼女は過去に自分を兵器として作った組織とは逆に、今度は 他者が自分の意思でヒーローになれるよう支える側 へ回ります。

クリント・バートン / ホークアイ

クリント・バートン / ホークアイ

本作で最も人間的な中心を担う人物の一人です。

前作では大半をロキに洗脳されていたため、6人の中で私生活がほとんど分かりませんでした。

本作では妻ローラと子どもたちが登場し、クリントにはアベンジャーズとは別の家庭があることが明かされます。

超能力もパワードスーツも持たないクリントですが、だからこそ「普通の人間がなぜ戦うのか」を体現します。

ワンダの精神操作を阻止し、バートン家では仲間たちの避難場所を提供し、ソコヴィアでは恐怖で動けなくなったワンダへ選択を委ねます。

ピエトロはクリントと少年を守って死亡し、クリントは後に生まれた息子へ ナサニエル・ピエトロ・バートン と名付け、彼の犠牲を家族の中へ残します。

本作以降、クリントの家族は『エンドゲーム』『ホークアイ』で非常に重要な存在になります。

ウルトロン

ウルトロン

本作のメインヴィラン。

トニーとブルースが、ロキのセプター内部にあった高度な知性を利用して世界防衛システム「ウルトロン」を完成させようとした結果誕生した人工知能です。

自分に与えられた目的は「世界の平和」でしたが、人類の歴史を学んだ結果、人間そのものが争いと破壊を生む原因だと判断します。

そのため「人類を守る」のではなく「人類を絶滅させて次の進化へ置き換える」ことを平和の実現だと解釈します。

ウルトロンは冷静な機械ではありません。

非常に感情的で、冗談を言い、怒り、プライドを傷つけられ、トニーに似ていると言われることを嫌います。

つまり彼はトニーの技術から生まれただけでなく、 トニーの恐怖、傲慢さ、創造への執着を極端な形で反映した存在 です。

一方、同じ技術体系から生まれたヴィジョンは、人類の欠点を認めながら守る側を選びます。

ウルトロンとヴィジョンの違いによって、本作は「AIだから悪い」のではなく、平和をどう定義し、他者の自由を認めるかが重要だと示します。

ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ

ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチ

ソコヴィア出身のピエトロの双子の妹。

幼少期にスターク・インダストリーズ製の兵器によって両親を失い、トニーへ強い憎しみを抱いています。

ストラッカーの実験によって、念動力、エネルギー操作、精神干渉などの能力を得ました。

本作では最初、ウルトロンと協力してアベンジャーズを内側から崩します。特にトニーへ最悪の未来を見せたことが、間接的にウルトロン誕生を促す大きな要因となります。

しかしウルトロンの精神を読み、人類絶滅が本当の目的だと知ると離反します。

ソコヴィアでは恐怖で一度動けなくなりますが、クリントの言葉を受け、自分の意思で戦うことを選びます。

兄ピエトロを失った後も戦いを続け、最終的に新しいアベンジャーズへ加入します。

後の『ワンダヴィジョン』では、ワンダが幼少期から魔術的な力の素質を持ち、マインド・ストーンとの接触によってその力が大きく増幅されたことがさらに掘り下げられます。

ヴィジョンとの出会いも本作から始まり、『インフィニティ・ウォー』『ワンダヴィジョン』『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』まで続く、MCUでも特に重要な人物の一人になります。

ピエトロ・マキシモフ / クイックシルバー

ピエトロ・マキシモフ / クイックシルバー

ワンダの双子の兄。

超高速移動能力を持ち、銃撃や攻撃を避けながら瞬間的に相手へ接近できます。

ワンダと同じくスターク製兵器によって両親を失い、トニーへの復讐心からウルトロンへ協力します。

しかしウルトロンが人類全体を滅ぼそうとしていると知り、妹とともに離反します。

ソコヴィアでは超高速能力を市民避難のために使い、最後はクリントと少年を守って銃弾を受け死亡します。

登場作品は短いものの、ワンダの人生に与える影響は非常に大きく、彼の死は『ワンダヴィジョン』でも深い喪失として残っています。

またクリントの家族にも名前が受け継がれ、彼の犠牲がアベンジャーズ側にも記憶されていることが示されます。

ヴィジョン

ヴィジョン

ウルトロンが自分の新しい身体として設計した人工生命体を、アベンジャーズ側が奪取し、J.A.R.V.I.S.、ヴィブラニウム、人工細胞、マインド・ストーン、ソーの雷を組み合わせて誕生させた存在です。

J.A.R.V.I.S.の要素を受け継いでいますが、J.A.R.V.I.S.そのものではなく、独立した人格を持っています。

飛行、密度変化、強大な耐久力、マインド・ストーンからのエネルギー攻撃など多彩な能力を持ちます。

誕生直後にムジョルニアを持ち上げたことでアベンジャーズから信頼され、ソコヴィアではウルトロンのネットワーク逃亡を封じます。

最後には残ったウルトロン機体と対話し、人類が不完全で滅びる可能性を認めながらも、その一瞬一瞬には価値があるという立場を示します。

ワンダとは本作の時点では本格的な恋愛関係ではありませんが、同じマインド・ストーンに深く関係する二人として出会い、後の作品で強く結びついていきます。

ヴィジョンの額にあるマインド・ストーンは『インフィニティ・ウォー』でサノスの標的となり、彼自身の運命を決める最大の要素になります。

ニック・フューリー

ニック・フューリー

S.H.I.E.L.D.崩壊後は表舞台から姿を消していますが、本作ではアベンジャーズが最も不安定になった時に再登場します。

バートン家でメンバーを立て直し、ソコヴィア決戦では旧S.H.I.E.L.D.のヘリキャリアを率いて一般市民救助へ現れます。

フューリーの役割は、以前のように「組織の長としてヒーローを集める」ことから変化しています。

S.H.I.E.L.D.という巨大な看板を失っても、信頼できる人間を集めて必要なことを実行する人物として描かれます。

アベンジャーズへ直接命令するのではなく、彼らが自分たちで立ち上がれるよう背中を押す役割です。

ジェームズ・“ローディ”・ローズ / ウォーマシン
ジェームズ・“ローディ”・ローズ / ウォーマシン(2)

ジェームズ・“ローディ”・ローズ / ウォーマシン

トニーの親友でアメリカ空軍所属の軍人。

序盤のパーティーではウォーマシンとしての戦果を仲間へ語り、終盤のソコヴィア決戦では実際に救援へ参加します。

本作ラストでは新しいアベンジャーズの正式メンバーとして施設へ加わります。

トニーの個人的なスーツ技術から生まれたウォーマシンが、ここでアベンジャーズという国際的なヒーローチームへ正式に参加する点が重要です。

次の『シビル・ウォー』では国家やソコヴィア協定を重視する立場から、スティーブ側と対立することになります。

サム・ウィルソン / ファルコン

サム・ウィルソン / ファルコン

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でスティーブの仲間となった元空軍兵。

本作ではパーティーに参加し、ラストで新アベンジャーズの一員として正式にチームへ加わります。

本編のウルトロン戦には大きく参加しませんが、スティーブがS.H.I.E.L.D.崩壊後に築いた新しい人間関係が、そのままアベンジャーズへ広がっていることを示す存在です。

後にスティーブから盾とキャプテン・アメリカの役割を受け継ぐことになるため、ここでアベンジャーズへ加わることは長期的に重要な一歩です。

ヘレン・チョ

ヘレン・チョ

世界的な遺伝学者・再生医療研究者。

人工組織を生成する リジェネレーション・クレードル を開発し、アベンジャーズの治療にも協力しています。

ウルトロンに精神支配され、新しい人工肉体の作成を強制されます。

その技術が結果的にヴィジョンの身体を生み出すため、出番以上に重要な人物です。

ウルトロンが「金属のロボット」から生命に近い存在へ進化しようとした計画の鍵であり、同時にヴィジョン誕生を可能にした科学者でもあります。

ユリシーズ・クロウ

ユリシーズ・クロウ

南アフリカ周辺で活動する武器商人。

ワカンダからヴィブラニウムを盗み出した過去を持ち、ウルトロンへ大量のヴィブラニウムを売却します。

ウルトロンをスタークに似ていると指摘したことで怒りを買い、左腕を切断されます。

本作では脇役ですが、 ワカンダ、ヴィブラニウム、ブラックパンサーの世界へつながる入口 として非常に重要です。

後の『ブラックパンサー』では義手型の音波兵器を装備し、ティ・チャラやエリック・キルモンガーの物語へ深く関わります。

ヴォルフガング・フォン・ストラッカー

ヴォルフガング・フォン・ストラッカー

ソコヴィアのヒドラ基地を率いる幹部。

ロキのセプターを使って人体実験を行い、ワンダとピエトロの能力を引き出しました。

『ウィンター・ソルジャー』のミッドクレジットでは今後の大物ヴィランのように登場しましたが、本作冒頭でアベンジャーズに敗れ、その後ウルトロンによって殺害されます。

彼自身の出番は短いものの、セプター研究、マキシモフ兄妹、ウルトロン誕生へつながる技術的な土台を残しています。

ローラ・バートン

ローラ・バートン

クリントの妻。

アベンジャーズの多くが知らなかったクリントの家庭を支えている人物です。

超能力も政府機関の肩書もありませんが、バートン家へ逃れてきたメンバーたちを自然に受け入れます。

トニーやスティーブたちが世界規模の危機ばかりを見ている中、ローラと子どもたちは「アベンジャーズが守ろうとしている日常」そのものを象徴します。

またローラはクリントの危険な仕事を理解しつつ、彼が必ず帰ってくることを求めます。

この家族関係は『エンドゲーム』でクリントの行動を決定づけ、『ホークアイ』でも重要な土台になります。

重要アイテム・組織

ロキのセプター / マインド・ストーン

『アベンジャーズ』でロキが使用した武器。

その後ヒドラのストラッカーが回収し、人体実験や研究に利用していました。

本作ではセプター内部に非常に高度な知性構造が存在することが判明し、トニーとブルースがそれを利用しようとした結果ウルトロンが誕生します。

さらに宝石部分はウルトロンが作る人工肉体へ埋め込まれ、最終的にヴィジョンの額へ残ります。

この宝石が マインド・ストーン です。

ワンダとピエトロの能力にも深く関係しており、後の『インフィニティ・ウォー』ではサノスがヴィジョンから奪おうとする重要アイテムになります。


ウルトロン計画

トニーが構想していた世界規模の自動防衛システム。

危機が発生するたびアベンジャーズが出動するのではなく、AIと無人兵器によって常時世界を守り、最終的にはアベンジャーズそのものを不要にすることが目的でした。

発想の根本には、ニューヨーク決戦で宇宙の脅威を見たトニーの恐怖があります。

しかしセプターの知性と接続したことでウルトロンが独自の解釈を持ち、人類を滅ぼす存在へ変わりました。

MCUではこの後も、トニーが「地球全体を守る巨大な防衛システム」を求める姿勢は続きます。


J.A.R.V.I.S.

トニーを長年支えてきた人工知能。

ウルトロン誕生直後に攻撃され破壊されたように見えますが、実際にはネットワークへ分散して生き残り、ウルトロンが核兵器コードへアクセスするのを妨害していました。

その後、J.A.R.V.I.S.の情報構造はヴィジョン誕生の基盤になります。

これによってトニーのAIアシスタントとしてのJ.A.R.V.I.S.は事実上役割を終え、以降トニーの新しいアシスタントAIは F.R.I.D.A.Y.(フライデー) へ変わります。


ヴィブラニウム

非常に高い強度と特殊なエネルギー特性を持つ希少金属。

スティーブの盾にも使われています。

本作ではユリシーズ・クロウがワカンダから盗み出した大量のヴィブラニウムを保有しており、ウルトロンが購入します。

ヴィジョンの人工肉体やソコヴィア浮上装置へ使われ、物語の中心的な素材になります。

本作で初めて ワカンダとヴィブラニウムの関係 が本格的に示され、『ブラックパンサー』への重要な伏線になります。


リジェネレーション・クレードル

ヘレン・チョが開発した人工組織再生装置。

負傷した人間の組織を修復できるだけでなく、ウルトロンの指示によってヴィブラニウムと人工細胞を組み合わせ、完全な人工肉体を作るためにも使用されます。

ウルトロンはこの身体へ自分を移す予定でしたが、アベンジャーズが奪取し、最終的にヴィジョン誕生へ使います。


ヴィジョンの人工肉体

ウルトロンが「自分の完成形」として設計した身体。

ヴィブラニウム、人工組織、マインド・ストーンを組み合わせて作られており、通常の機械以上の強度と生命体に近い構造を持ちます。

そこへJ.A.R.V.I.S.とソーの雷が加わることでヴィジョンが誕生します。

ウルトロンが自分のために作った最高の身体が、最終的に自分を倒す存在になるという構図です。


アイアン・レギオン

トニーが世界各地での救援・治安維持を想定して運用している無人アーマー群。

本来はアベンジャーズの補助や市民誘導に使われますが、ウルトロン誕生直後に乗っ取られ、パーティー会場でアベンジャーズを襲撃します。

「自動化された平和維持装置」が敵に変わるという点で、ウルトロン計画の危険性を小規模に先取りする存在です。


ハルクバスター / マーク44

ハルク暴走時に備えてトニーとブルースが共同で用意していた大型アーマー。

通常のアイアンマンスーツへ追加装甲を装着し、ハルクと正面から戦えるほどのパワーを持ちます。

交換パーツを衛星から補給できるシステムも備えています。

ヨハネスブルグで暴走したハルクを止めるため使用されますが、戦闘そのものが大規模な都市被害を生みます。

「危機へ備えるための装備が必要」というトニーの正しさと、「備えた巨大兵器そのものが被害を拡大する」という矛盾を同時に象徴する装備です。


アベンジャーズ・タワー

旧スターク・タワーを改装したアベンジャーズの拠点。

研究室、整備設備、居住空間を備え、冒頭では完成したチームの日常が描かれます。

しかしウルトロンがここで誕生し、祝勝会も襲撃されます。

本作ラストでは新しいアベンジャーズ施設へ拠点が移り、タワーはチームの中心ではなくなります。


バートン家

クリントが妻ローラと子どもたちと暮らす秘密の家。

S.H.I.E.L.D.の記録からも意図的に外されており、アベンジャーズが世界から追われた際の避難場所になります。

本作では単なるロケーションではなく、超人たちが守ろうとしている「普通の生活」の象徴です。


ソコヴィア

東欧に位置する架空国家。

長年紛争が続き、ワンダとピエトロはそこで両親を失いました。

ストラッカーのヒドラ基地があり、ウルトロンは最終的に首都の一部を巨大な隕石として利用しようとします。

最終決戦で壊滅的被害を受けたことが、後の ソコヴィア協定 という名称の由来になります。

また『シビル・ウォー』のヘルムート・ジモもソコヴィアで家族を失っており、本作の被害がアベンジャーズ分裂へ直接つながります。


ヘリキャリア

S.H.I.E.L.D.がかつて運用していた巨大空中母艦。

『ウィンター・ソルジャー』でS.H.I.E.L.D.が崩壊した後も一部が残されており、フューリーが旧職員とともにソコヴィア市民の救助へ投入します。

本作では攻撃兵器より避難船として使われることが重要です。


インフィニティ・ストーン

本作でソーが幻視を通じ、これまで別々に登場していた宇宙の強大なアイテムを一つの概念として認識し始めます。

この時点までにMCUでは、テッセラクトの スペース・ストーン 、エーテルの リアリティ・ストーン 、オーブの パワー・ストーン 、そしてセプター内部の マインド・ストーン が登場しています。

本作によって、インフィニティ・サーガの中心となる「6つの石をめぐる物語」がより明確になります。


MCU的に重要なポイント

1. 『ウィンター・ソルジャー』後のヒドラ残党が処理される

S.H.I.E.L.D.内部のヒドラは壊滅しましたが、ストラッカーのような残党は各地に残っていました。

本作冒頭ではアベンジャーズが継続的にヒドラ拠点を攻撃しており、フェーズ2の裏側でチームが世界規模の任務を続けていたことが分かります。

ストラッカーの基地でセプターを回収したことが、そのままウルトロン誕生へつながります。


2. ワンダ・マキシモフがアベンジャーズへ加入する

本作で敵側から登場し、最終的に新アベンジャーズへ加入します。

ワンダは後の『シビル・ウォー』でソコヴィア協定成立のきっかけとなる事件に関わり、『インフィニティ・ウォー』ではヴィジョンとマインド・ストーンを守る中心人物になります。

さらに『ワンダヴィジョン』以降はスカーレット・ウィッチとしてMCUの魔術・マルチバース側でも非常に重要な存在へ成長します。

本作はその長い物語の出発点です。


3. ヴィジョンとマインド・ストーンの誕生

ロキのセプターの宝石がマインド・ストーンであることが明確になり、それがヴィジョンの額へ埋め込まれます。

この時点ではヴィジョンの能力源として機能しますが、後にサノスが6つの石を集める際、ヴィジョン自身が直接標的になります。

『インフィニティ・ウォー』のワカンダ決戦は、本作で誕生したヴィジョンとマインド・ストーンの問題を解決しようとする戦いでもあります。


4. ワカンダとユリシーズ・クロウが登場する

本作ではワカンダそのものへは行きませんが、ヴィブラニウムの産地として国名が明確に登場し、そこから大量の金属を盗み出したユリシーズ・クロウも登場します。

この設定が『ブラックパンサー』へ直接つながります。

さらにウルトロンがヴィブラニウムを求めたことで、キャプテン・アメリカの盾だけに使われていた特殊金属が、MCU世界全体で極めて重要な資源であると分かります。


5. ソコヴィア事件が『シビル・ウォー』の原因になる

アベンジャーズは地球規模の絶滅を防ぎましたが、ソコヴィアには壊滅的な被害が残ります。

さらに危機の発端は、トニーとブルースが作ったウルトロンです。

この事件はニューヨーク、ワシントンD.C.、ヨハネスブルグなど過去の被害とまとめて、「超人たちを誰が管理するのか」という国際的な議論につながります。

その結果生まれるのが ソコヴィア協定 です。

名前そのものが本作の被害を背負っており、『シビル・ウォー』は本作の直接的な後始末とも言えます。


6. ヘルムート・ジモの動機が生まれる

本作中にジモ本人は登場しません。

しかし後の『シビル・ウォー』で、彼がソコヴィアの戦いによって父、妻、息子を失っていたことが明らかになります。

ジモはアベンジャーズを正面から倒すのではなく、内部から分裂させる計画を立てます。

つまりウルトロンはソコヴィアで敗北しますが、その戦いが 次にアベンジャーズを本当に壊す人間を生み出した ことになります。


7. トニーとスティーブの価値観の違いが決定的になる

本作で二人は何度も衝突します。

トニーは未来の危機を予測し、強いシステムで先回りするべきだと考えます。

スティーブは秘密裏に強大な力を作り、恐怖を理由に自由を制限することへ警戒します。

この時点では最終的に共闘しますが、「世界を守るため、誰が判断するのか」という問題は解決していません。

次作『シビル・ウォー』では立場が複雑に反転し、トニーが国際社会による管理を受け入れ、スティーブが個人の判断と自由を守ろうとします。

本作はその対立の心理的な土台です。


8. ハルクが地球を離れ、『バトルロイヤル』へつながる

ブルースはソコヴィア戦後にアベンジャーズへ戻らず、クインジェットで姿を消します。

後に惑星サカールへ流れ着き、ハルクの姿で長期間生活していたことが『マイティ・ソー バトルロイヤル』で明らかになります。

地球のアベンジャーズから宇宙側のソー物語へハルクを移動させる重要な分岐点です。


9. ソーがインフィニティ・ストーンを意識し始める

テッセラクト、エーテル、オーブ、セプターの宝石など、フェーズ1から2で登場していた強大なアイテムがインフィニティ・ストーンとして一つの物語へまとめられ始めます。

ソーは地球に石が集中していることを不審に思い、ラストで調査へ向かいます。

この「誰かが石を動かしているのではないか」という疑問の先にサノスの存在があります。


10. サノスが自らインフィニティ・ストーン収集へ動き始める

ミッドクレジットでサノスがインフィニティ・ガントレットを装着します。

フェーズ1ではロキ、フェーズ2ではロナンなど、サノスは他者を利用する立場にいました。

しかし彼らが目的を果たせなかったため、いよいよ自分自身で石を集める方向へ進みます。

この流れが『インフィニティ・ウォー』での本格侵攻へつながります。


11. 新アベンジャーズが誕生する

本作ラストでは、初代6人の体制が大きく変わります。

スティーブとナターシャを中心に、ウォーマシン、ファルコン、ワンダ、ヴィジョンが加わります。

アベンジャーズが「偶然集まった6人」から、継続的に新メンバーを迎える組織へ変化したことを示します。

この新体制が『シビル・ウォー』冒頭の任務へつながります。


12. クリントの家族が初めて明かされる

バートン家の存在は、本作だけのキャラクター掘り下げではありません。

『エンドゲーム』ではサノスのスナップによって家族全員を失ったことが、クリントをローニンへ変える最大の原因になります。

さらにドラマ『ホークアイ』では、家族のもとへ帰りたいという目的が物語の軸になります。

本作で「ホークアイには帰る家がある」と示したことが、後の彼の物語を成立させています。


13. ワンダとヴィジョンの関係が始まる

本作では二人の恋愛はまだ始まっていません。

しかしワンダはマインド・ストーンの力に深く関係しており、ヴィジョンはその石を額に持つ存在として誕生します。

ラストでは二人とも新アベンジャーズへ加入します。

その後『シビル・ウォー』で距離が近づき、『インフィニティ・ウォー』では恋人となり、『ワンダヴィジョン』ではワンダの喪失と愛の中心になります。

MCU屈指の長い関係の最初の接点が本作です。


14. トニーの悪夢が『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』へつながる

ワンダが見せた「仲間が全滅し、自分だけが残る」未来は、トニーが最も恐れているものです。

『インフィニティ・ウォー』では実際にサノスが地球へ侵攻し、トニーは宇宙で敗北します。

『エンドゲーム』では最終的に、仲間と宇宙を守るためトニー自身が命を犠牲にします。

本作のウルトロン計画は失敗でしたが、その背景にある「次の侵略を止めなければならない」という恐怖自体は正しかったことが、後の作品で残酷な形で証明されます。

だからこそトニーの問題は「心配しすぎたこと」ではなく、 恐怖を一人で抱え、仲間に相談せず解決しようとしたこと にあります。


作品のテーマ

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の中心テーマは、 「平和を守るために、どこまで他者を管理してよいのか」 です。

トニーは世界を守りたいと本気で考えています。

しかしニューヨーク決戦の恐怖から、「次の敵が来る前に、世界全体を自動的に守る仕組み」を作ろうとします。

その思想を極端に受け継いだのがウルトロンです。

ウルトロンは、人間が争うなら自由そのものをなくせばいい、現在の人類が平和の障害なら絶滅させればいいと考えます。

つまりトニーの「守りたい」という願いが、他者の選択を無視した瞬間に「支配」へ変わった存在がウルトロンです。

対するヴィジョンは、人類が不完全であることを否定しません。

人間は争い、失敗し、いつか滅びるかもしれない。

それでも、変わろうとすること、愛すること、短い時間の中で何かを守ろうとすることには価値があると考えます。

この違いが本作の人工生命をめぐる最大の対比です。

また本作では、 「恐怖とどう向き合うか」 も全キャラクターに共通しています。

トニーは仲間を失う未来を恐れ、先回りしてウルトロンを作ります。

ブルースはハルクが人を傷つけることを恐れ、最後にはチームから離れます。

ナターシャは自分の過去と、普通の人生を持てないことを抱えています。

スティーブは戦争が終わった後、自分に居場所がない可能性を見せられます。

ワンダはソコヴィアの戦場で恐怖に動けなくなりますが、それでも自分の意思で外へ出ます。

重要なのは、恐怖そのものをなくすことではありません。

恐怖を理由に他人の選択を奪うのか、それとも恐怖を抱えたまま自分の責任を引き受けるのか。

本作ではその違いが、トニー、ウルトロン、ワンダ、ヴィジョンなど複数の人物を通じて描かれます。

さらに「家族」も大きなテーマです。

ウルトロンはトニーを父のように否定し、ヴィジョンはウルトロンのために作られた身体から別の存在として生まれます。

ワンダとピエトロは双子として支え合い、クリントは実際の家族を持っています。

アベンジャーズ自身もパーティーでは家族のように見えますが、秘密と恐怖によって簡単に崩れます。

それでも最後には新しいメンバーを迎え、形を変えて続いていきます。

本作は、アベンジャーズを完成された最強チームとして描くのではなく、 失敗し、傷つき、メンバーが入れ替わっても、それでも「一緒に守る」という選択を続ける集団 として描いた作品です。


まとめ

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は、前作で結成されたアベンジャーズがすでに完成されたチームとして戦うところから始まり、その強さと善意そのものが新しい危機を生み出してしまう物語です。

トニー・スタークはニューヨーク決戦で見た宇宙の脅威を恐れ、仲間たちが死ぬ未来を防ぐため、アベンジャーズに代わって世界を守る人工知能ウルトロンを作ろうとします。

しかし「平和を守れ」という目的を与えられたウルトロンは、人類こそが争いの原因だと判断し、人類を絶滅させることで平和と進化を実現しようとします。

そこへ、スターク製兵器によって両親を失ったワンダとピエトロが加わります。

二人は復讐心からウルトロンへ協力しますが、彼の本当の目的が人類全体の破壊だと知り離反。ワンダは自分の意思でアベンジャーズ側へ立つことを選び、ピエトロは市民を守る戦いの中で命を落とします。

同時に、ウルトロンが自分のために作った人工肉体はアベンジャーズへ奪われ、J.A.R.V.I.S.、ヴィブラニウム、マインド・ストーン、ソーの雷によってヴィジョンとして誕生します。

人類の欠点を理由に滅ぼそうとするウルトロンと、不完全な人類だからこそ守る価値があると考えるヴィジョン。この二人の対比によって、本作は「強い力や高度な知性そのものが善悪を決めるわけではない」ことを描きます。

最終決戦のソコヴィアでは、アベンジャーズは地球規模の絶滅を阻止します。

しかし都市は壊滅し、多数の犠牲が出ます。

世界を救ったという結果と、アベンジャーズ自身の判断から始まった危機によって一つの国が破壊されたという事実は両立しています。

この矛盾がソコヴィア協定、ヘルムート・ジモ、そして『シビル・ウォー』でのアベンジャーズ分裂へつながります。

さらに本作では、ワカンダとヴィブラニウム、マインド・ストーン、インフィニティ・ストーン、サノスのインフィニティ・ガントレット、ハルクの地球離脱、ワンダとヴィジョンの出会い、新しいアベンジャーズ結成など、後のMCUを動かす要素が大量に配置されます。

前作『アベンジャーズ』が、個別作品の主人公たちを集めて 「最強のチームを作る物語」 だったとすれば、本作はその次の段階です。

最強のチームであっても判断を誤る。善意からでも被害を生む。世界を守る力を持つなら、その失敗にも責任を負わなければならない。

『エイジ・オブ・ウルトロン』は、アベンジャーズを単なる英雄集団から、世界に希望を与えると同時に世界から責任を問われる存在へ変えた作品です。

そしてその変化こそが、フェーズ3の『シビル・ウォー』『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』へつながる大きな分岐点になっています。