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キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーのポスター

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

Captain America: The Winter Soldier / 2014年

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』はMCU第9作であり、 第二次世界大戦の価値観を持つスティーブ・ロジャースが、現代の安全保障組織S.H.I.E.L.D.の内部にヒドラが潜伏していた事実を知り、「組織に従うこと」と「自分が信じる正義に従うこと」の違いへ向き合う物語 です。

MCU公開順では第9作、フェーズ2。『アベンジャーズ』から約2年後を舞台に、現代へ適応し始めたスティーブがS.H.I.E.L.D.の任務へ参加しているところから始まります。

本作では、サム・ウィルソン/ファルコン、ウィンター・ソルジャーとなったバッキー・バーンズ、アレクサンダー・ピアース、シャロン・カーター、ブロック・ラムロウ、インサイト計画、ゾラのアルゴリズム、そして S.H.I.E.L.D.内部へ潜伏していたヒドラ が重要な要素として登場します。

前作が「力を持つ前からスティーブは何を信じていたのか」を描いた作品なら、本作はその信念が、敵味方の境界が曖昧な現代でも通用するのかを試す作品です。


詳しいあらすじ

1. 現代に生きるスティーブとサム・ウィルソン

ワシントンD.C.でランニングをする スティーブ・ロジャース は、元空軍兵 サム・ウィルソン と出会います。スーパーソルジャーの速度で何度も追い抜くスティーブに対し、サムは冗談を返し、二人はすぐに打ち解けます。

サムは退役後、戦場から帰ってきた兵士たちの支援をしていました。約70年の眠りから戻ったスティーブも、ある意味では「戦場から帰ってきた兵士」です。

スティーブは表面的には現代へ馴染み始めていますが、自分の知る人々の多くはすでにいません。高齢となった ペギー・カーター を訪ねる場面では、失った時間の大きさを改めて突きつけられます。

本作では、そんなスティーブが過去へ戻るのではなく、現代で新しい仲間と自分の居場所を作っていくことになります。


2. レムリア・スター奪還作戦

スティーブは ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウブロック・ラムロウ 率いるS.T.R.I.K.E.とともに、武装集団に占拠されたS.H.I.E.L.D.船 レムリア・スター の人質救出へ向かいます。

スティーブは傭兵を率いる ジョルジュ・バトロック と戦い、人質救出を進めます。しかし途中、ナターシャが別行動を取り、船内コンピューターからS.H.I.E.L.D.の機密データを回収していることに気づきます。

スティーブにはその任務が知らされていませんでした。

第二次世界大戦では、仲間と目的を共有して戦ってきたスティーブにとって、味方同士で情報を隠す現代の諜報活動は受け入れにくいものです。

ここから本作の中心となる 「誰を信用できるのか」 という問題が始まります。


3. インサイト計画とスティーブの違和感

任務後、スティーブは ニック・フューリー へ抗議します。フューリーは「誰もすべてを知る必要はない」という情報機関の論理を説明し、S.H.I.E.L.D.が進める インサイト計画 を見せます。

トリスケリオン地下では、衛星と連携しながら世界中の標的を攻撃できる3隻の新型ヘリキャリアが建造されていました。フューリーは、脅威が攻撃を始めてからではなく、危険になる前に排除するための抑止力だと説明します。

しかしスティーブは、その考え方を「自由」だとは思えません。

彼が戦争で守ろうとしたのは、人々が自分で選べる世界です。ところがインサイト計画は、平和のために常に世界中へ銃口を向ける仕組みです。

この違和感が、後に計画の本当の目的を知った時のスティーブの決断へつながります。


4. フューリーがS.H.I.E.L.D.内部を疑う

ナターシャが回収したデータは、S.H.I.E.L.D.長官であるフューリーにも完全にはアクセスできませんでした。

自分が許可した計画の情報が、自分以上の権限で封鎖されている。この異常からフューリーは内部に問題があると疑い、上層部の旧友 アレクサンダー・ピアース へインサイト計画の延期を求めます。

しかしその帰路、フューリーは警察車両を装った武装部隊に襲撃されます。防弾車を徹底的に破壊され、最後には金属製の左腕を持つ謎の暗殺者 ウィンター・ソルジャー まで現れます。

フューリーは辛うじて脱出しますが、敵が自分の装備や行動を熟知していることから、情報がS.H.I.E.L.D.内部から漏れているのは明らかでした。

世界最大級の諜報組織そのものが、敵の支配下にある可能性が浮かび上がります。


5. 「誰も信用するな」――フューリーの死

負傷したフューリーはスティーブのアパートへ逃げ込み、レムリア・スターから回収したデータの入ったUSBメモリを渡します。そして 「誰も信用するな」 と警告します。

直後、壁越しの銃撃でフューリーは重傷を負います。スティーブが追跡すると、屋上にいたウィンター・ソルジャーは、投げられたキャプテン・アメリカの盾を金属の腕で受け止めます。

フューリーは病院へ搬送されますが、手術の末に死亡したと発表されます。

また、スティーブの隣人を名乗っていた女性「ケイト」の正体も、S.H.I.E.L.D.の シャロン・カーター/エージェント13 だと判明します。フューリーの指示でスティーブを護衛していました。

周囲の人間が次々と別の顔を見せる中、スティーブはフューリーの言葉通り、誰を信じるべきか分からない状況へ追い込まれます。


6. ピアースの尋問とエレベーターでの包囲

フューリーの死後、スティーブはピアースから事情を聞かれます。ピアースはフューリー自身がS.H.I.E.L.D.を裏切っていた可能性を語りますが、スティーブはUSBメモリの存在を隠します。

会談後、エレベーターへ乗ったスティーブをラムロウ率いるS.T.R.I.K.E.隊員が囲みます。

昨日まで共に任務をしていた仲間たちが一斉に襲いかかりますが、スティーブは狭いエレベーター内で全員を倒し、トリスケリオンから脱出します。

S.H.I.E.L.D.はスティーブを逃亡者として指名手配します。

この時点で敵が一部の裏切り者ではなく、組織の指揮系統そのものへ食い込んでいることが明確になります。

国家の英雄であるキャプテン・アメリカが、国家機関から追われる側になるという構図も本作の重要な転換点です。


7. ナターシャとの逃亡とキャンプ・リーハイ

スティーブは、USBメモリを回収していたナターシャと合流します。ナターシャもフューリーの死を疑っており、二人はS.H.I.E.L.D.の追跡を避けながらデータの発信元を調べます。

行き着いたのは、スティーブがスーパーソルジャー候補として訓練を受けた キャンプ・リーハイ でした。

そこには戦後のS.H.I.E.L.D.へつながる古い施設が残されており、地下で巨大な旧式コンピューターを発見します。

スティーブにとってS.H.I.E.L.D.は、ペギーやハワード・スタークらが築いた「世界を守る組織」でした。その原点の場所に、現在の陰謀へつながる秘密が隠されていたことは皮肉です。

USBメモリを接続すると、第二次世界大戦から残る人物が画面上に現れます。


8. アーニム・ゾラが明かすヒドラの復活

画面に現れたのは、かつてレッド・スカルに仕えた科学者 アーニム・ゾラ でした。

肉体はすでに死んでいますが、ゾラは自分の意識をコンピューターへ保存していました。そして、第二次世界大戦後にS.H.I.E.L.D.へ取り込まれた自分が、その内部でヒドラを再建したことを明かします。

ヒドラは正面から自由を奪うのではなく、戦争や混乱を生み、人々自身が「自由より安全を選びたい」と思う社会を作ろうとしていました。そのために政府やS.H.I.E.L.D.へ何十年も潜伏してきたのです。

ハワード・スタークの死にもヒドラが関与したことが示唆されます。

そして現在の完成形がインサイト計画でした。

スティーブが70年前に倒したはずのヒドラは、ペギーたちが築いた組織の中で生き続けていたのです。


9. サムの協力とゾラのアルゴリズム

スティーブとナターシャは、組織の外にいるサムを頼ります。サムは危険を知っても協力し、空軍時代に使用していた飛行装備 EXO-7 ファルコン を再び使うことになります。

三人はヒドラ側のS.H.I.E.L.D.エージェント ジャスパー・シットウェル を捕らえ、インサイト計画の本当の目的を聞き出します。

ゾラのアルゴリズムは、世界中の人々の通信、医療、金融、経歴などのデータを分析し、「将来ヒドラへ抵抗する可能性がある人物」を予測します。

ヘリキャリアはその対象を一斉に殺害し、反乱そのものが生まれない世界を作ろうとしていました。

実際に何をしたかではなく、「いつか逆らうかもしれない」という未来予測だけで人を殺す仕組みです。

スティーブがインサイト計画へ抱いていた違和感が、最悪の形で正しかったことが分かります。


10. 高速道路の戦闘とバッキーの正体

移動中のスティーブたちはウィンター・ソルジャーとヒドラ部隊に襲撃され、シットウェルは殺害されます。

ナターシャ、サム、スティーブは市街地で応戦し、スティーブはウィンター・ソルジャーと一対一で激突します。

相手は銃器、ナイフ、金属製の左腕を使い、スーパーソルジャーであるスティーブと互角に近い戦闘能力を見せます。

戦いの中でマスクが外れ、その顔を見たスティーブは動きを止めます。

ウィンター・ソルジャーの正体は、第二次世界大戦で死亡したと思っていた親友 バッキー・バーンズ でした。

しかしバッキーはスティーブを覚えておらず、自分の名前を呼ばれても混乱するだけです。

世界規模のヒドラの陰謀が、ここでスティーブ個人の最も深い過去と直結します。


11. ヒドラの兵器にされたバッキー

バッキーは列車から転落した後も生きており、ヒドラに回収されていました。

アーニム・ゾラの実験の影響もあって生存し、失った左腕には金属製の義手を装着。洗脳と記憶消去を繰り返され、数十年間にわたり暗殺者 ウィンター・ソルジャー として利用されてきました。

任務のない時は冷凍保存されるため、第二次世界大戦からほとんど年を取っていません。

スティーブとの戦闘で記憶が戻りかけても、ピアースは事情を説明せず、再び装置でバッキーの記憶を消去させます。

スティーブが自分の意思で盾を持ち戦っているのに対し、バッキーは自分の意思そのものを奪われて武器にされています。

本作の「自由を奪うヒドラ」というテーマが、最も個人的な形で現れている存在です。


12. 生きていたフューリーとS.H.I.E.L.D.を壊す決断

拘束されたスティーブ、ナターシャ、サムは マリア・ヒル に救出され、秘密基地へ連れて行かれます。

そこで待っていたのは、死亡したはずのフューリーでした。フューリーは薬剤で心拍を極端に低下させ、死を偽装してヒドラの監視から外れていました。

フューリーはヒドラだけを排除してS.H.I.E.L.D.を立て直そうとします。しかしスティーブは反対します。

何十年もヒドラの潜伏を許し、インサイト計画まで作った以上、どこまでがS.H.I.E.L.D.でどこからがヒドラなのか切り分けられません。

スティーブは 「S.H.I.E.L.D.ごと終わらせる」 と決断します。

かつて軍に入ることを夢見た青年が、組織の名前ではなく自分の良心を基準に判断するようになったことを示す、本作最大の成長です。


13. スティーブがS.H.I.E.L.D.全体へ真実を伝える

インサイト計画の開始日、スティーブはトリスケリオンの放送を使い、S.H.I.E.L.D.全職員へヒドラの存在を明かします。

ピアースやS.T.R.I.K.E.にもヒドラの協力者がいると告げ、隣にいる人間が敵かもしれない状況でも「自分がどちら側に立つか選んでほしい」と呼びかけます。

その言葉を聞いたS.H.I.E.L.D.職員の中には、命令へ逆らってヘリキャリア発進を止めようとする者も現れます。

ここでスティーブが求めるのは盲目的な忠誠ではありません。

ヒドラはゾラのアルゴリズムで人間の未来を決めつけますが、スティーブは一人ひとりが自分で正しい選択をできると信じます。

自由意志を奪うヒドラに、自由意志そのもので対抗する場面です。


14. ナターシャとフューリー、ピアースを止める

世界安全保障理事会がトリスケリオンへ集まる中、その一人に変装していたナターシャが正体を現し、ピアースへ銃を向けます。そこへフューリーも現れます。

二人はピアースの権限を利用してS.H.I.E.L.D.のデータベースを解放し、ナターシャは S.H.I.E.L.D.とヒドラ双方の機密情報を世界へ公開 します。

そこにはナターシャ自身の過去の任務に関する情報も含まれます。それでも秘密を守って組織を維持するより、真実を公開することを選びます。

ピアースは理事会メンバーへ仕込んだ装置を使って反撃しますが、最終的にフューリーによって倒されます。

政治と情報の側からS.H.I.E.L.D.を支配していたヒドラの中心はここで崩れます。


15. インサイト・ヘリキャリアを止める作戦

一方、3隻のインサイト・ヘリキャリアが発進します。

スティーブとサムの目的は、各機体へ侵入して制御チップを交換し、ヘリキャリア同士を標的にさせることです。

サムはファルコンのウイングで対空砲火をかわし、スティーブは艦内へ突入します。しかしウィンター・ソルジャーが現れ、サムのウイングを破壊。サムはトリスケリオンへ降下し、ラムロウと戦います。

スティーブは最後のヘリキャリアでバッキーと激突しながらも、制御チップの交換を完了します。

マリア・ヒルがシステムを起動すると、3隻は互いを攻撃し始め、インサイト計画は阻止されます。

世界を救う任務は成功しますが、スティーブにとって最後の問題はまだ残っています。


16. スティーブが盾を捨てる

任務を終えたスティーブは、バッキーとの戦いを続ける必要がなくなります。

彼はキャプテン・アメリカの象徴である盾を捨て、バッキーへ「自分は戦わない」と伝えます。

そして幼い頃から二人が互いを支えてきた記憶を呼び起こすように語りかけます。

洗脳されたバッキーはそれでもスティーブを殴り続けますが、次第に動揺します。

崩壊するヘリキャリアからスティーブが川へ落下すると、最後に彼を水中から救い出したのはバッキーでした。

洗脳が完全に解けたわけではありません。しかし、任務なら殺すべき相手を救ったことで、ヒドラが何十年も消そうとした バッキー・バーンズ本人の人格が残っている ことが示されます。


17. S.H.I.E.L.D.崩壊後

インサイト計画は阻止され、ヒドラの存在とS.H.I.E.L.D.の機密情報は世界へ公開されました。その結果、S.H.I.E.L.D.は事実上崩壊します。

ナターシャは上院の公聴会へ呼ばれますが、自分たちのような人間が再び必要になる時が来ると告げ、その場を去ります。

マリア・ヒルはスターク・インダストリーズへ移り、フューリーは死亡扱いのままヨーロッパへ向かいます。

ラムロウは重傷を負いながら生存し、後に クロスボーンズ として再登場します。

スティーブはS.H.I.E.L.D.という所属先を失いましたが、守るべきものを失ったわけではありません。

国家や組織の命令ではなく、 自分の信念で動くキャプテン・アメリカ として現代に立つことになります。


18. スティーブとサム、バッキーを探す旅へ

事件後、スティーブが病院で目を覚ますと、そばにはサムがいます。

冒頭ではランニング中に知り合っただけの二人でしたが、サムは国家規模の陰謀へ巻き込まれても最後までスティーブと戦い続けました。

スティーブはヒドラ残党よりも先に、バッキーを探すことを選びます。

サムも当然のように同行すると答えます。

スティーブにとってバッキーは危険な暗殺者ではなく、70年前から残る数少ない家族同然の存在です。

この「バッキーを救う」という意思は、次のキャプテン・アメリカ単独作『シビル・ウォー』で、トニー・スタークやアベンジャーズとの関係を揺るがすほど大きな意味を持つことになります。


ポストクレジット

本作には重要な追加シーンが2つあります。

ミッドクレジット:ストラッカーと双子

ヒドラ残党の バロン・ヴォルフガング・フォン・ストラッカー が、秘密施設でロキの セプター を保管しています。

さらに実験対象として、高速移動能力を持つ ピエトロ・マキシモフ と、不思議な力で物体を動かす ワンダ・マキシモフ が登場します。

二人とセプターは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』へ直接つながります。後にセプター内部には マインド・ストーン が存在していたことも明らかになります。

ポストクレジット:自分の過去を見るバッキー

バッキーはスミソニアン博物館のキャプテン・アメリカ展示を訪れ、自分自身―― ジェームズ・ブキャナン・“バッキー”・バーンズ についての記録を見つめます。

本編ではスティーブの言葉で記憶が揺らぎ始めただけでしたが、ここではヒドラの命令ではなく、自分から「自分は誰なのか」を調べ始めています。

バッキーがウィンター・ソルジャーという兵器から、一人の人間として自分を取り戻していく長い物語の第一歩です。


主要キャラクターまとめ

スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ

スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ

現代ではS.H.I.E.L.D.の任務へ参加していますが、インサイト計画とヒドラ潜伏を知り、「組織に所属しているから正しい」という考えを捨てます。

本作で確立される 命令ではなく自分の良心に従う姿勢 は、『シビル・ウォー』でソコヴィア協定へ反対するスティーブにも直接つながります。

またバッキーを敵ではなく救うべき親友として扱い続けることも、以降のキャプテン・アメリカシリーズの中心になります。

ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ

ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ

S.H.I.E.L.D.のスパイとして嘘や偽名を使うことに慣れた人物です。

正直さを重視するスティーブとは対照的ですが、逃亡生活を通じて互いを信頼するようになります。

終盤ではS.H.I.E.L.D.とヒドラの機密情報をすべて公開し、自分自身の過去が晒される危険も受け入れます。組織に守られるのではなく、自分の選択に責任を持つ方向へ進みます。

サム・ウィルソン / ファルコン

サム・ウィルソン / ファルコン

本作でMCU初登場する元空軍兵。

退役軍人の支援をしていましたが、スティーブから協力を求められ、EXO-7 ファルコンを使って戦線へ復帰します。

後にアベンジャーズへ参加し、『エンドゲーム』でスティーブから盾を託され、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』を経て新たなキャプテン・アメリカになります。

ジェームズ・“バッキー”・バーンズ / ウィンター・ソルジャー

ジェームズ・“バッキー”・バーンズ / ウィンター・ソルジャー

『ザ・ファースト・アベンジャー』で死亡したと思われていたスティーブの親友。

ヒドラに回収され、金属製の左腕、洗脳、記憶消去によって暗殺者へ改造されました。

本作では完全には記憶を取り戻しませんが、最後にスティーブを救い、自ら過去を調べ始めます。『シビル・ウォー』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』へ続く長い回復の物語がここから始まります。

ニック・フューリー

ニック・フューリー

S.H.I.E.L.D.長官。

秘密と情報管理によって世界を守ってきましたが、その方法を利用したヒドラに組織を内部から乗っ取られます。

自らの死を偽装して反撃し、最終的にはスティーブの「S.H.I.E.L.D.ごと壊す」という決断を受け入れます。

アレクサンダー・ピアース

アレクサンダー・ピアース

S.H.I.E.L.D.上層部にいる本作のメインヴィラン。

表向きはフューリーの友人で世界平和を重視する政治家ですが、実際にはヒドラの中心人物です。

インサイト計画を使って将来の反対者を先に排除し、人々が安全のため自ら自由を手放す世界を作ろうとします。

シャロン・カーター / エージェント13

シャロン・カーター / エージェント13

スティーブの隣人として登場しますが、実際にはフューリーの指示で彼を護衛していたS.H.I.E.L.D.エージェントです。

ヒドラの正体が明らかになるとスティーブ側に立ちます。ペギー・カーターの親族であり、後の『シビル・ウォー』にも登場します。

ブロック・ラムロウ

ブロック・ラムロウ

S.T.R.I.K.E.隊長で、実際にはヒドラ側の人物。

エレベーターでスティーブを拘束しようとし、終盤ではサムと戦います。トリスケリオン崩壊で重傷を負いながら生存し、後に クロスボーンズ となります。

アーニム・ゾラ

アーニム・ゾラ

第二次世界大戦時代から生き残ったヒドラの科学者。

戦後S.H.I.E.L.D.へ入り込み、内部でヒドラを再建しました。死後は意識をコンピューターへ保存し、将来の脅威を予測する ゾラのアルゴリズム を完成させています。

重要アイテム・組織

S.H.I.E.L.D.

『アイアンマン』以来、MCU作品をつないできた国際的な諜報・治安組織。

本作でヒドラが数十年間内部へ潜伏していたことが判明し、機密情報公開とトリスケリオン崩壊によって事実上解体されます。


ヒドラ

第二次世界大戦でレッド・スカルが率いた組織。

ゾラを通じてS.H.I.E.L.D.へ入り込み、政府や安全保障システムを内部から利用する組織へ変化していました。


インサイト計画

3隻の新型ヘリキャリアと衛星を連携させ、脅威を攻撃前に排除するS.H.I.E.L.D.の防衛計画。

ヒドラはゾラのアルゴリズムと組み合わせ、将来の反対者を一斉殺害する計画へ転用します。


ゾラのアルゴリズム

人々の経歴、通信、金融、医療など大量のデータから、将来ヒドラへ抵抗する可能性を予測するシステム。

実際の行動ではなく「未来の可能性」で人間を処刑対象にする、ヒドラの支配思想を象徴します。


EXO-7 ファルコン

サムが空軍時代に使用していた高機動飛行装備。

大型ウイングで高速飛行でき、本作でサムがファルコンとして戦うための装備になります。


トリスケリオン

ワシントンD.C.にあるS.H.I.E.L.D.本部。

インサイト・ヘリキャリアの発進拠点であり、終盤で大きく崩壊します。S.H.I.E.L.D.という組織の崩壊を視覚的にも象徴する場所です。


MCU的に重要なポイント

1. S.H.I.E.L.D.が崩壊する

フェーズ1から作品同士をつないできたS.H.I.E.L.D.が事実上消滅します。以降、アベンジャーズはフューリーの組織に所属するチームではなく、より独立した存在として動いていきます。

2. バッキーがウィンター・ソルジャーとして生存

前作で死亡したと思われていたバッキーがヒドラの暗殺者として戻ります。スティーブが彼を救おうとする意思は、『シビル・ウォー』の中心へ直接つながります。

3. ファルコンの初登場

サム・ウィルソンがスティーブの新たな相棒になります。後に彼自身がキャプテン・アメリカを受け継ぐため、本作は次世代のキャプテン・アメリカの出発点でもあります。

4. クロスボーンズへの伏線

ラムロウは重傷を負いながら生存し、『シビル・ウォー』でクロスボーンズとして再登場します。彼が起こすラゴス事件はソコヴィア協定の議論を加速させます。

5. 『エイジ・オブ・ウルトロン』への直接接続

ミッドクレジットでストラッカー、ワンダ、ピエトロ、ロキのセプターが登場します。ヒドラ残党の研究はそのまま次の『アベンジャーズ』へ続きます。

6. スティーブの「組織より信念」が確立する

S.H.I.E.L.D.そのものを壊した経験は、後にスティーブがソコヴィア協定へ慎重になる大きな背景です。政府を嫌うのではなく、正しさの判断を組織へ丸ごと預けることを危険視するようになります。


作品のテーマ

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の中心テーマは、 「自由を守るために、どこまで安全を優先してよいのか」 です。

インサイト計画は、危険が起きる前に敵を排除することで平和を作ろうとします。しかしゾラのアルゴリズムが判断するのは、その人物が実際に何をしたかではなく、将来ヒドラへ抵抗する可能性です。

人間がこれから何を選ぶかという自由そのものを認めない仕組みであり、スティーブが最も否定する考え方です。

また本作では「信頼」も重要です。フューリーは誰も信用するなと言い、ナターシャは嘘を使って生き、S.H.I.E.L.D.は内部からヒドラに侵食されています。

それでもスティーブは、最後にはS.H.I.E.L.D.職員一人ひとりが正しい選択をできると信じ、洗脳されたバッキーにも本人が残っていると信じます。

本作は、スティーブが 組織ではなく、一人ひとりの人間の良心と選択を信じるキャプテン・アメリカになる物語 です。


まとめ

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』は、現代社会へ適応し始めたスティーブ・ロジャースが、自分の所属するS.H.I.E.L.D.の内部にヒドラが潜伏していた事実を知り、組織そのものへ反逆していく物語です。

序盤ではS.H.I.E.L.D.の秘密主義やインサイト計画へ違和感を持ちながらも任務を続けていたスティーブが、最終的には「誰が命令したか」ではなく「その命令が正しいか」を自分で判断し、S.H.I.E.L.D.ごと壊す道を選びます。

同時に、死亡したと思っていたバッキーがウィンター・ソルジャーとして戻ったことで、スティーブの過去も現代へ再びつながります。世界を救うためバッキーと戦いながら、最後には盾を捨て、親友の中に残る人格を信じる選択をします。

MCU全体では、 S.H.I.E.L.D.崩壊、ヒドラの復活、ファルコン初登場、バッキーの生存、クロスボーンズへの伏線、ワンダとピエトロの初登場 など、その後のフェーズ2・フェーズ3へ直結する要素が非常に多い作品です。

そして何より、第二次世界大戦の英雄だったスティーブが、国家や組織ではなく 自分自身の信念を基準に戦う現代のキャプテン・アメリカへ完成する作品 です。