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キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャーのポスター

キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー

Captain America: The First Avenger / 2011年

『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』はMCU第5作であり、 身体は弱くても正義感だけは誰よりも強かった青年スティーブ・ロジャースが、スーパーソルジャーとなり「キャプテン・アメリカ」へ成長する物語 です。

MCU公開順では第5作、フェーズ1。物語の大部分は第二次世界大戦中の1940年代で進み、ラストで約70年後の現代へ接続します。

本作では、スティーブ、ペギー・カーター、バッキー・バーンズ、ハワード・スターク、レッド・スカル、アーニム・ゾラ、ヒドラ、スーパーソルジャー血清、ヴィブラニウム製の盾、テッセラクトなど、後のMCUへ長く残る要素が一気に登場します。

本作の中心にあるのは、 「力を持つ前に、どんな人間だったか」 という問いです。


詳しいあらすじ

1. テッセラクトを手に入れるレッド・スカル

第二次世界大戦中の1942年、ナチスの科学部門から生まれた組織 ヒドラ を率いる ヨハン・シュミット は、ノルウェーのトンスベルグを襲撃します。

目的は、古くから地球に隠されていた青い立方体 テッセラクト でした。シュミットはそれが人類の科学を超える巨大なエネルギーを秘めていると確信しており、科学者 アーニム・ゾラ にエネルギーを抽出させ、ヒドラ独自の超兵器を開発し始めます。

ここで本作の戦争は、通常の「連合軍対ナチス」から大きく外れ始めます。ヒドラは宇宙由来の力によって世界の軍事バランスそのものを変えようとしているのです。

テッセラクトは『マイティ・ソー』のポストクレジットにも登場しており、本作でその過去が描かれることで『アベンジャーズ』へ向けた伏線がさらに具体化します。


2. 軍人になれないスティーブ・ロジャース

ニューヨークのブルックリンに暮らす青年 スティーブ・ロジャース は、アメリカ軍への入隊を何度も志願していました。

しかし小柄で痩せており、喘息をはじめ複数の持病もあるため、身体検査を通過できません。それでも彼が諦めないのは、戦争へ行って英雄になりたいからではなく、他の人々が命をかけているのに自分だけ安全な場所にいることを受け入れられないからです。

映画館で戦争協力映像へ野次を飛ばす大男に注意し、路地裏で殴られても何度でも立ち上がる姿からも、スティーブの本質が分かります。

この時点で彼には筋力も武器もありません。しかし、 「相手が強いからといって間違ったことを見過ごさない」 というキャプテン・アメリカの精神は、超人血清を受ける前からすでに存在しています。


3. バッキーとの友情とアースキンとの出会い

スティーブの幼なじみ ジェームズ・“バッキー”・バーンズ は、すでに軍へ入隊し、ヨーロッパへの出征を控えていました。

出征前夜、バッキーはスティーブを未来技術博覧会へ連れ出します。しかしスティーブはそこで再び入隊受付を見つけ、また志願しようとします。

バッキーは何度拒否されても戦場へ行こうとする親友を心配しますが、スティーブの考えは変わりません。その会話を聞いていたのが、ドイツから亡命した科学者 エイブラハム・アースキン博士 でした。

アースキンが注目したのはスティーブの身体ではなく、何度失敗しても「戦いたい理由」が変わらない人格です。

彼の推薦によってスティーブは入隊を認められ、通常の部隊ではなく、極秘の スーパーソルジャー計画 へ参加することになります。


4. キャンプ・リーハイで示されるスティーブの本質

スティーブはニュージャージー州の キャンプ・リーハイ へ送られ、スーパーソルジャー候補として訓練を受けます。

計画を指揮する チェスター・フィリップス大佐 は、他の候補より明らかに非力なスティーブを選んだアースキンの判断を疑います。訓練を担当する ペギー・カーター も、最初は特別扱いしません。

しかし訓練中、フィリップスが手榴弾を投げ込むと、全員が逃げる中でスティーブだけがその上へ覆いかぶさり、仲間を守ろうとします。さらに旗を取る訓練でも、力で登るのではなく旗竿の根元を外して倒すことで解決します。

アースキンが見ていたのはこの部分です。スティーブは最強の候補ではありませんが、 自己犠牲と知恵を両方持つ人物 でした。


5. アースキンが語る「力は人間の本質を増幅する」

実験前夜、アースキンはスティーブへスーパーソルジャー血清の過去を明かします。

アースキンがドイツで研究していた頃、最初に血清を求めたのがヨハン・シュミットでした。しかし血清は未完成で、シュミットは強大な力を得る一方、身体にも異常が生じます。

さらにアースキンは、血清が筋力だけではなく その人間がもともと持つ性質まで強くする と考えていました。

善良な人間はより善良に、悪意の強い人間はより危険になる。そのため彼が必要としていたのは強い兵士ではなく、力を持っても傲慢にならない人間でした。

そしてスティーブに、力を得ても今のままの善良な人間でいてほしいと伝えます。この考え方が、後にキャプテン・アメリカとレッド・スカルを分ける最大の違いになります。


6. スーパーソルジャー誕生とアースキンの死

ブルックリンの秘密施設で、スーパーソルジャー実験が始まります。

アースキン、ペギー、フィリップスに加え、若き技術者 ハワード・スターク も参加。スティーブへ血清を注入し、特殊装置から ヴィータ線 を照射します。

激しい苦痛に耐えたスティーブは、筋力、持久力、反射神経などが人間の限界を超えたスーパーソルジャーへ変化します。しかし成功直後、ヒドラ工作員 ハインツ・クルーガー がアースキンを殺害し、残された血清を奪って逃走します。

スティーブは強化された身体能力で工作員を追い詰めますが、クルーガーはヒドラの名を残して自ら命を絶ちます。血清も失われ、アースキンも死亡したため、スティーブは唯一の成功例となります。

アースキンが最後にスティーブの胸を指し示す場面は、 力を得る前の自分を忘れるな という教えを改めて伝えるような場面です。


7. 宣伝役となった「キャプテン・アメリカ」

スティーブは戦場へ行くことを望みますが、軍は唯一のスーパーソルジャーを失う危険を避けます。

そこで彼は、戦時国債を売るためのショーへ出演することになります。星条旗をモチーフにした衣装を着て「キャプテン・アメリカ」と名乗り、各地の舞台でヒトラー役を殴る演出を繰り返します。

国民からは人気を得ますが、スティーブ本人には強い虚しさが残ります。力を得る前は「弱すぎて戦えない」と言われ、力を得た後は「貴重すぎて戦わせられない」と言われるのです。

この時点のキャプテン・アメリカは、まだ政府が作った宣伝用キャラクターにすぎません。

スティーブ自身がその名前に本当の意味を与えるのは、次に自分の意思で戦場へ向かってからです。


8. 第107歩兵連隊救出のため単独でヒドラ基地へ

慰問公演でイタリアの前線を訪れたスティーブは、多数の兵士がヒドラとの戦闘で行方不明になったことを知ります。

その中には、バッキーが所属する 第107歩兵連隊 も含まれていました。

フィリップスは救出が難しいと判断しますが、スティーブは命令を待ちません。ペギーとハワードの協力を得て、ヒドラの巨大工場へ単独で潜入します。

捕らえられていた兵士を解放し、さらに奥で衰弱したバッキーも発見します。この時点では詳しく説明されませんが、後の作品を踏まえるとバッキーはすでにアーニム・ゾラの実験対象になっていました。

軍に命じられたからでも、舞台の演出でもなく、 助けられる人間がいるから自分で危険へ飛び込む 。ここでスティーブは初めて、血清で得た力を自分の信念に従って使います。


9. レッド・スカルの正体とスティーブとの対比

基地から脱出する途中、スティーブはヨハン・シュミットと対面します。

シュミットはスティーブがアースキンの血清を受けた存在だと見抜き、自分たちは同じ種類の人間だと考えます。そして顔を覆っていたマスクを剥がし、赤い頭蓋骨のように変形した本当の顔を見せます。これが レッド・スカル です。

シュミットもスーパーソルジャー血清によって強化されていますが、アースキンの警告通り、もともとの野心と優越思想まで増幅されていました。

さらにテッセラクトの力を得たことでヒトラーさえ時代遅れと考え、ヒドラ自身による世界支配を狙います。

スティーブとレッド・スカルは同じ研究から生まれた対照的な存在です。 力を他人のために使う男と、力によって自分を他人より上だと考える男 という構図がここで明確になります。


10. 本物の英雄となり、ハウリング・コマンドーズを結成

スティーブはバッキーや多数の捕虜を連れて連合軍陣地へ帰還します。

それまで「派手な衣装を着た宣伝役」と見ていた兵士たちは、実際に仲間を救出して戻ってきた彼を英雄として迎えます。政府が作ったキャプテン・アメリカという名前に、スティーブ自身の行動が意味を与えた瞬間です。

その後、救出した兵士たちを中心に ハウリング・コマンドーズ を結成。バッキー、ダム・ダム・デューガン、ゲイブ・ジョーンズらとともにヒドラ基地を攻撃していきます。

ハワードは実戦用の装備を用意し、スティーブは希少金属 ヴィブラニウム 製の円形の盾を選びます。

ここからスティーブは一人の超人ではなく、仲間と作戦を立て、先頭に立って戦うリーダーへ変わります。後にアベンジャーズで指揮役となる資質が、すでに第二次世界大戦で形になっています。


11. ヒドラとの戦いとペギーとの関係

スティーブとハウリング・コマンドーズは、ヨーロッパ各地のヒドラ施設を次々と破壊します。

ヒドラはテッセラクトのエネルギーを利用した銃や大型兵器を使用しますが、キャプテン・アメリカの盾、バッキーの狙撃、仲間たちの専門技能を組み合わせて対抗します。

戦いを続ける中で、スティーブと ペギー・カーター の関係も近づきます。ペギーは彼が力を得る前から人格を知っており、スティーブもペギーを守られるだけの存在ではなく、自分と同じように責任を負う戦士として尊敬しています。

二人は、戦争が終わったら一緒に踊るという約束を交わします。

この「ダンス」は本作では叶わず、スティーブが現代で背負う最大の喪失になります。そして後に『アベンジャーズ/エンドゲーム』まで続く、非常に長い伏線となります。


12. ヒドラ列車作戦とバッキーの転落

ヒドラの科学者アーニム・ゾラが列車で移動するという情報を得たスティーブたちは、山岳地帯で襲撃作戦を実行します。

スティーブとバッキーは列車内部へ侵入しますが、テッセラクト兵器によって車両が破壊され、その衝撃でバッキーが外へ投げ出されます。

スティーブは必死に手を伸ばしますが間に合わず、バッキーは深い谷へ落下します。

幼い頃から自分を守ってくれた親友を、力を得た今度は自分が救えなかった。スティーブはここで、どれだけ強くなってもすべての人を救えるわけではない現実を突きつけられます。

本作では死亡したように見えますが、後の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』で、ゾラの実験の影響もあって生存し、ヒドラに回収・洗脳されていたことが判明します。

この転落は、 ウィンター・ソルジャー誕生の始まり でもあります。


13. ゾラの捕獲とヒドラ最後の計画

列車作戦ではバッキーを失いますが、アーニム・ゾラの捕獲には成功します。

フィリップスはゾラを尋問し、ヒドラの主要拠点とレッド・スカルの最終計画を把握します。

レッド・スカルはテッセラクトのエネルギーを利用した巨大爆撃機 ワルキューレ を完成させ、複数の大型兵器でアメリカの主要都市を攻撃しようとしていました。

もはやシュミットの目的はドイツの勝利ではありません。ナチスから完全に独立し、ヒドラ自身が世界を支配するための大量破壊です。

バッキーを失ったスティーブは深い悲しみを抱えますが、仲間たちに支えられ再び立ち上がります。

ここで彼が選ぶのは個人的な復讐ではなく、これ以上犠牲者を出さないためヒドラそのものを止めることです。


14. ヒドラ最後の基地への総攻撃

スティーブはヒドラ最後の拠点へ正面から突入します。

あえて敵に捕らえられ、レッド・スカルの前へ連れて行かれる間に、ハウリング・コマンドーズや連合軍が基地へ侵入。ペギーやフィリップスも加わり、ヒドラとの全面戦闘になります。

追い詰められたレッド・スカルはワルキューレで離陸し、アメリカへの攻撃を実行しようとします。スティーブは発進する機体へ飛び移り、単身で内部へ侵入します。

序盤では軍隊に入れてもらうことすらできなかった青年が、今や世界規模の攻撃を止めるため最前線へ向かっています。

しかし根本は変わっていません。彼が動く理由は命令や名誉ではなく、 自分が行かなければ誰かが傷つくから です。スーパーソルジャーの力は、その信念を大きな規模で実行できるようにしただけです。


15. キャプテン・アメリカ対レッド・スカル

ワルキューレ内部で、スティーブとレッド・スカルの最後の戦いが始まります。

二人は同じスーパーソルジャー研究を起源とする強化人間ですが、レッド・スカルは力を自分が人類より優れた存在である証明だと考え、スティーブはどれだけ強くなっても自分を支配者とは考えません。

戦闘中、テッセラクトを収めた装置が破損し、レッド・スカルが直接触れます。すると上空に宇宙へ通じるような光が広がり、シュミットはその中へ吸い込まれるように消失します。

後に『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で、彼が惑星ヴォーミアへ送られ、ソウル・ストーンの番人となっていたことが明らかになります。

そしてテッセラクトは機体の床を焼き抜き、海へ落下します。世界を支配する力を求めたレッド・スカルは、最後にはその力によって自分の運命を決められることになります。


16. スティーブの自己犠牲とペギーとの別れ

レッド・スカルが消えた後も、ワルキューレはアメリカへ向かって飛び続けています。

機内には大都市を狙う大量の兵器が残され、スティーブは安全に着陸させる方法を見つけられません。

そこで無線でペギーと連絡を取り、人のいない北大西洋へ機体を墜落させることを決断します。ペギーは帰ってきてから踊る約束をしようとし、スティーブも会話を続けますが、二人ともそれが叶わない可能性を理解しています。

そしてスティーブはワルキューレを氷の海へ墜落させます。

この決断は、アースキンが彼を選んだ理由そのものです。力を得る前に手榴弾へ覆いかぶさった青年が、今度は世界規模で同じ選択をします。

強くなったから自己犠牲を選べたのではなく、もともとそういう人間だったからこそキャプテン・アメリカになれたのです。


17. ハワードによるテッセラクト回収

戦争終結後、ハワード・スタークはスティーブの捜索を続けます。

しかし海底で発見できたのはスティーブではなく、ワルキューレから落下した テッセラクト でした。

ハワードはこれを回収し、その後テッセラクトはアメリカ政府側の研究対象として保管されます。この流れが後のS.H.I.E.L.D.による研究へつながります。

つまり『マイティ・ソー』のポストクレジットでニック・フューリーがセルヴィグへ見せたテッセラクトは、本作でハワードが海から回収したものです。そして『アベンジャーズ』では、その研究がロキの地球侵攻を引き起こすきっかけになります。

一方スティーブ本人は見つからず、第二次世界大戦の英雄キャプテン・アメリカは死亡したものとして歴史に残ります。


18. 約70年後――現代に目覚めるスティーブ

それから約70年後、氷の中で眠っていたスティーブが発見されます。

スーパーソルジャー血清で強化された身体は極低温状態でも生存しており、彼はS.H.I.E.L.D.の施設で目を覚まします。

S.H.I.E.L.D.は1940年代風の病室を再現しますが、ラジオから流れる野球中継が過去に聞いた試合の録音だったため、スティーブは異変を察知。施設から飛び出し、現代のタイムズスクエアへたどり着きます。

そこへ ニック・フューリー が現れ、約70年間眠っていたことを説明します。

世界を救った英雄が最初に思い出すのは、失った戦争でも名誉でもなく、ペギーとのダンスの約束でした。

ここからスティーブの新しい問題は「敵を倒すこと」ではなく、 自分だけが時代から取り残された世界でどう生きるか へ変わります。そのまま『アベンジャーズ』へ続いていきます。


ポストクレジットシーン

現代へ目覚めたスティーブは、一人でサンドバッグを殴り続けています。

そこへ ニック・フューリー が現れ、新しい任務を持ってきたことを伝えます。その後、映像は『アベンジャーズ』の予告へ接続します。

『アイアンマン』ではアベンジャーズ計画、『アイアンマン2』では候補者評価とムジョルニア、『マイティ・ソー』ではロキとテッセラクトが配置されました。

そして本作では、初代アベンジャーズの中心人物となるキャプテン・アメリカが現代へ到着します。

フェーズ1の個別作品で用意されてきた人物と要素が、いよいよ『アベンジャーズ』で一つに集まる直前まで進んだことを示す場面です。


主要キャラクターまとめ

スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ
スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ(2)

スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ

本作の主人公。身体は弱いものの、強い正義感と自己犠牲の精神を持つ青年です。

アースキンに人格を見込まれてスーパーソルジャーとなりますが、血清によって善人になったわけではありません。手榴弾へ覆いかぶさる姿も、最後にワルキューレを墜落させる決断も、力を得る前から同じ価値観に基づいています。

現代ではアベンジャーズの中心人物となり、『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』『エンドゲーム』までその信念が続きます。

ペギー・カーター

ペギー・カーター

戦略科学予備軍(SSR)の英国人エージェント。スティーブが力を得る前からその人格を知る人物です。

戦闘・判断力ともに優れ、スティーブとは互いに惹かれ合います。戦争後に踊る約束は、彼の墜落によって果たされません。

戦後はハワード・スタークらとS.H.I.E.L.D.創設に関わり、『エンドゲーム』ではスティーブとのダンスがついに実現します。

ジェームズ・“バッキー”・バーンズ

ジェームズ・“バッキー”・バーンズ

スティーブの幼なじみで親友。第107歩兵連隊の兵士として戦い、救出後はハウリング・コマンドーズに加わります。

列車作戦で谷底へ落下し死亡したように見えますが、ゾラの実験の影響で生存。後にヒドラへ回収され、暗殺者 ウィンター・ソルジャー となります。

スティーブとの友情は『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』の中心へ続きます。

ヨハン・シュミット / レッド・スカル
ヨハン・シュミット / レッド・スカル(2)

ヨハン・シュミット / レッド・スカル

ヒドラを率いる本作のメインヴィラン。未完成のスーパーソルジャー血清で強化され、顔が赤い頭蓋骨のように変化しました。

テッセラクトを使って世界支配を狙い、同じ血清を起源とするスティーブと正反対の存在として描かれます。

最終決戦で消失し、後に『インフィニティ・ウォー』でヴォーミアのソウル・ストーンの番人として再登場します。

エイブラハム・アースキン

エイブラハム・アースキン

スーパーソルジャー血清の開発者。強い兵士ではなく、弱さを知る善良な人間としてスティーブを選びます。

実験成功直後に殺害され、完全な血清の製法も失われます。彼の「力は人間の本質を増幅する」という考え方が、本作のテーマそのものです。

ハワード・スターク

ハワード・スターク

トニー・スタークの父で、SSRに協力する天才技術者。スーパーソルジャー実験や装備開発に参加し、ヴィブラニウム製の盾をスティーブへ提供します。

戦後はスティーブ捜索中にテッセラクトを回収し、後のS.H.I.E.L.D.へつながる研究の基盤を作ります。

アーニム・ゾラ

アーニム・ゾラ

レッド・スカル配下の科学者。テッセラクト兵器を開発し、捕虜となったバッキーにも実験を行います。

戦後はS.H.I.E.L.D.へ取り込まれながら内部でヒドラを再建。『ウィンター・ソルジャー』で、ヒドラがS.H.I.E.L.D.を長年侵食していた事実につながります。

重要アイテム・組織

スーパーソルジャー血清

アースキンが開発した人間強化血清。肉体だけでなく、その人物が持つ性質も増幅すると説明されます。スティーブとレッド・スカルの違いを生む本作の中心設定です。


キャプテン・アメリカの盾

ハワードが保有していた ヴィブラニウム 製の円形シールド。防御だけでなく投擲武器としても使われ、後のMCUではキャプテン・アメリカという称号そのものを象徴する存在になります。


テッセラクト

ヒドラが超兵器の動力源として利用する青い立方体。戦後ハワードが回収し、後にS.H.I.E.L.D.が研究します。内部には スペース・ストーン があり、『アベンジャーズ』以降のインフィニティ・サーガへつながります。


ヒドラ

レッド・スカルが率いる秘密科学組織。本作では壊滅したように見えますが、ゾラを通じてS.H.I.E.L.D.内部へ生き残り、『ウィンター・ソルジャー』で再びスティーブの前に現れます。


戦略科学予備軍(SSR)

第二次世界大戦中、超人研究やヒドラ対策を担う連合軍側の組織。ペギー、フィリップス、ハワードらが所属・協力し、戦後のS.H.I.E.L.D.へつながります。


ワルキューレ

レッド・スカルがアメリカ攻撃のために用意した巨大爆撃機。スティーブが北大西洋へ墜落させたことで攻撃は阻止され、そのまま彼が約70年後の現代へ移る原因になります。


MCU的に重要なポイント

1. スーパーソルジャー計画の原点

スティーブは理想的な成功例となりますが、アースキンの死で完全な血清は失われます。そのため後の時代でも各勢力が再現を試み、『インクレディブル・ハルク』のロスの研究やウィンター・ソルジャー計画などへつながります。


2. バッキーからウィンター・ソルジャーへ

列車から転落したバッキーは死亡せず、ヒドラに回収されます。本作の親友関係が『ウィンター・ソルジャー』『シビル・ウォー』の中心となり、キャプテン・アメリカシリーズ全体をつなぎます。


3. ヒドラが現代まで生き残る

レッド・スカル消失後も、ゾラがS.H.I.E.L.D.内部でヒドラを再建します。第二次世界大戦で始まった戦いが、約70年後の『ウィンター・ソルジャー』へそのまま続きます。


4. テッセラクトとインフィニティ・サーガ

本作でヒドラが利用し、ハワードが回収したテッセラクトは、『アベンジャーズ』でロキが狙う中心アイテムとなります。後に内部のスペース・ストーンが明らかになり、サノスとの戦いへつながります。


5. SSRからS.H.I.E.L.D.へ

ペギー、ハワード、SSRの活動は戦後のS.H.I.E.L.D.創設へつながります。現代の諜報組織の原点が、第二次世界大戦のヒドラ対策にあったことが分かります。


6. ペギーとのダンスが『エンドゲーム』で回収される

本作で叶わなかったスティーブとペギーのダンスは、『エンドゲーム』のラストで実現します。MCU第5作の個人的な約束が、インフィニティ・サーガ最終作まで続く長期的な物語になります。


作品のテーマ

『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の中心テーマは、 「力を持つ前に、どんな人間であるか」 です。

スティーブは血清によって正義感を得たのではなく、弱い頃から他人を守るために立ち上がっていました。対するレッド・スカルは、力によって自分を他者より上の存在だと考えます。

つまり二人の違いは能力ではなく、その力を何のために使うかです。政府が作った宣伝用の「キャプテン・アメリカ」という名前も、スティーブ自身が捕虜を救い、仲間を率い、最後に自分を犠牲にすることで本物の英雄の象徴へ変わっていきます。


まとめ

『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』は、身体の弱い青年スティーブ・ロジャースがスーパーソルジャーとなり、キャプテン・アメリカへ成長する物語です。

しかし彼をヒーローにしたのは血清ではありません。力を得る前から、何度殴られても間違ったことへ立ち向かい、仲間を守ろうとする人物だったからこそ、アースキンは彼を選びました。

レッド・スカルとの戦い、バッキーとの友情、ペギーとの恋、ハウリング・コマンドーズとの共闘を経て、スティーブは最後に世界を守るためワルキューレを墜落させ、自分の時代を失います。

MCU全体では、スーパーソルジャー血清、ヒドラ、バッキー、ゾラ、ペギー、ハワード、テッセラクトなど、後の物語へ残る重要要素の原点が描かれます。そして約70年後の現代へ目覚めたことで、 「最初のアベンジャー」が『アベンジャーズ』へ合流する準備が整う作品 です。